機能製品事業は24%増収 クレハの23年3月期

2023年05月18日

ゴムタイムス社

 クレハの23年3月期連結決算は、売上収益が1912億7700万円で前期比13・6%増、営業利益は223億5000万円で同11・0%増、税引前利益は229億9200万円で同12・7%増、親会社の所有者に帰属する当期利益は168億6800万円で同19・1%増となった。機能製品事業のリチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂を中心に売上げが伸張したが、原燃料価格高騰の影響等により、セグメント営業利益合計は減益となった。営業利益では、当連結会計年度に「その他の費用」で業務用食品包装材分野に係る固定資産の減損損失を計上したが、前年同期は機能樹脂分野に係る固定資産において当期を上回る減損損失の計上があったことから、前期比で増益となった。
 セグメントのうち、機能製品事業の売上収益は826億9300万円で同24・0%増、営業利益は101億4700万円で同1・9%増となった。機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、シェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品、PPS樹脂、その他の樹脂加工品等の売上が増加したことから、この分野での売上は増加したが、原燃料価格高騰の影響等もあり、営業利益は減少した。炭素製品分野では、高温炉用断熱材および自動車部品用摺動材向けの炭素繊維の売上げが増加し、この分野での売上、営業利益はともに増加した。

 樹脂製品事業の売上収益は467億9200万円で同4・5%増、営業利益は86億700万円で同12・7%減。コンシューマー・グッズ分野では、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上が増加したが、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の売上が減少したことおよび原燃料価格高騰の影響により、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。業務用食品包装材分野では、塩化ビニリデンフィルムの売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。
 24年3月期の通期の連結業績については、売上収益は1900億円で前期比0・7%減、営業利益は220億円で同1・6%減、税引前利益は220億円で同4・3%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は155億円で同8・1%減を見込んでいる。

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