ユニチカの23年3月期連結決算は、売上高が1179億4200万円で前期比2・8%増、営業利益は13億2700万円で同77・9%減、経常利益は10億6900万円で同83・3%減、親会社株主に帰属する当期純利益は1億200万円で同95・4%減となった。
セグメント別に見ると、高分子事業の売上高は515億3600万円で同1・4%増、営業利益は34億7500万円で同47・7%減となった。高分子事業セグメントでは、電気・電子用途を中心に需要が低迷した影響を受けた。また、製品価格の改定を実施したが、原燃料価格高騰の影響が改定の効果を上回り、収益に大きなマイナス影響を及ぼした。フィルム事業では、包装分野における世界的な需給緩和の影響を受け、工業分野においては電気・電子用途の需要が急減し、それぞれ販売量が減少した。その一方で製品価格の改定を進め、エンブレムHGなどの高付加価値品へのシフトを進めた。この結果、事業全体で増収減益となった。樹脂事業では、エンジニアリングプラスチックは、自動車生産回復の遅れや、中国におけるユーザーの工場稼働減少、欧州の景気停滞による需要低迷などの影響を受け、販売量が減少した。機能樹脂は、期後半に電気・電子分野への販売が落ち込んだ。一方で、海外での売上は伸長した。この結果、事業全体で増収減益となった。
機能資材事業の売上高は344億2000万円で同0・1%増、営業損失は5億3500万円(前期は2400万円の営業利益)となった。
機能資材事業セグメントでは、原燃料価格の高騰が製造原価を押し上げた。製品価格の改定を実施したが、収益に大きなマイナス影響を及ぼした。活性炭繊維事業では、浄水器用途におけるサプライチェーンでの在庫調整の影響や電子分野の工場稼働率減少の影響を受け苦戦した。ガラス繊維事業では、産業資材分野は、テント、シート等の販売が堅調に推移しました。電子材料分野のICクロスは、期後半に半導体市況が悪化し、販売が大幅に減少した。ガラスビーズ事業では、燃料価格高騰を受け、価格改定を進めたが、道路用途においては工事件数減少、反射材用途においては欧州の景気低迷による需要減少の影響を受け、それぞれ販売は低調だった。不織布事業では、海上物流が正常化に向かいつつある中で、海外での販売は順調に推移した。スキンケア用途など生活資材分野での販売は低調だった。原燃料価格高騰の影響により、苦戦した。産業繊維事業では、国内向けは建築土木用途での販売は堅調だったが、部のフィルター用途や水産用途などは低調だった。海外向けは欧州等の景気停滞の影響を受けた。
24年3月期の通期連結業績予想は、売上高は1300億円で前期比10・2%増、営業利益が38億円で同186・3%増、経常利益が24億円で同124・4%増、純利益は9億円で同775・4%増を見込んでいる。
2023年05月17日