大日精化工業の2023年3月期連結決算は、売上高は1220億500万円で前期比0・1%増、営業利益は26億3500万円で同64・6%増、経常利益は33億7300万円で同59・4%減、当期純利益は20億700万円で同67・4%減となった。売上高は同社グループの主要な販売先である輸送業界の自動車向けは半導体等の部品不足等による生産調整及びサプライチェーン上の在庫調整の影響により、また、情報電子業界の液晶ディスプレイ向けは、コロナ禍の巣ごもり需要の反動減等により低迷した。一方、包装業界向けのインキ及び着色剤は、人流の活発化等により堅調に推移した。一方、営業利益は、販売価格の見直しを進めましたが、原材料価格高止まりの影響を受けた。
カラー&ファンクショナル プロダクト事業の売上高は672億800万円で同4・3%減、営業利益は20億500万円で同59・3%減となった。情報電子業界向けの顔料及び分散体の売上高は、オフィス事務機器用途は回復が続いたが、ディスプレイ用途は、液晶パネルの在庫調整及び巣ごもり需要の減少により低調となった。家電OA機器及び車両業界向けのコンパウンド・着色剤の売上高は、国内は半導体不足等による自動車生産低迷により低調となったが、海外は、東南アジア・インドが好調に推移した。
ポリマー&コーティング マテリアル事業の売上高は、236億4900万円で同0・2%増、営業利益は19億7600万円で同40・2%減となった。ウレタン樹脂の売上高は、主要販売先の在庫調整等により車両業界向け、衣料品・服飾品業界向け等全般的に低調に推移した。情報電子業界の液晶ディスプレイ向けのコーティング剤は、巣ごもり需要の減少等により低調に推移した。
グラフィック&プリンティング マテリアル事業の売上高は310億7100万円同10・9%増、原材料価格の高止まり及び新工場移転費用の計上により、13億6200万円の営業損失(前年同期は8億2500万円の営業損失)となった。包装業界向けのグラビアインキは、国内は飲料ラベル用途等が堅調に推移した。海外は、インドネシア子会社でコロナ鎮静化により大幅に増収となった。オフセットインキは、需要減少により低調に推移した。
24年3月期通期の連結業績予想は売上高が1280億円で同4・9%増、営業利益が52億円で同97・3%減、経常利益が56億円で同66・0%増、当期純利益が43億円で同114・2%増を見込んでいる。
2023年05月18日