積水化学工業は5月16日、同社の高機能プラスチックスカンパニーが、滋賀水口工場において、ポリビニルアセタール樹脂の生産能力の増強を決定したと発表した。増産開始は2025年度第4四半期(2026年1~3月)を予定している。
高機能プラスチックスカンパニーの機能樹脂事業部では、ポリビニルアセタール樹脂事業をグローバルに展開しており、各種バインダー、接着剤、インク、塗料など幅広い用途で使用されている。同社独自の生産技術により、品種の幅広いラインアップとロット間の高い安定性を実現し、特に電子部品向けセラミックバインダー用途では世界トップシェアを誇っている。近年、パソコン、スマートフォンなどの電子機器用途に加えEV車などをはじめとした車載電子部品の増加に伴い、その需要は急速に拡大している。今後も、エレクトロニクス産業のみならず自動車産業においても市場伸長が継続的に見込まれていることから、約20億円を投じ、安定的な供給体制の構築を目指す。
機能樹脂事業は、ポリビニルアセタール樹脂「エスレック B/K」のほか、ポリビニルアルコール樹脂「SELVOL(セルボール)」、アクリル系発泡微粒子「ADVANCELL(アドバンセル)」の3製品群を、日、米、欧の世界5拠点で生産しグローバルに事業を展開している。その用途は幅広く、家電やモバイル端末などのエレクトロニクス、自動車や建築といったさまざまな分野で使用されており、高い品質により、顧客製品の安全性向上や機能性、生産性の改善に寄与するなど高い評価を受けている。今後も、社会課題の解決に資する高機能で高付加価値な製品の開発、提供を通じて積水化学グループの掲げるサステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいくとしている。
2023年05月18日