JSR 小柴 満信社長 -2012年1月1日号掲載-
“JSR 20i3”中計を策定
“成長への始動”と位置づけ S―SBRをグローバルに拡大
新中期経営計画“JSR 20i3”において、石化事業は競争力のあるものはグローバルNo.1、No2を目指し、ファイン事業では対面業界の成長を倍以上上回る事業拡大を計画しているJSR。小柴満信社長にエラストマー事業を中心に2012年の経営課題を聞いた。
―11年を振り返って。
小柴社長 東日本大震災で鹿島工場が3ヶ月近く止まったが、在庫や海外の合弁先からEPの応援供給を受けるなどで、何とかお客様の要請に対応することができた。また、自動車の早期生産再開や従業員の努力もあり、震災による影響額を当初30億円と見込んでいたが10億円ぐらいの利益減にとどまった。
4月に新たな中期経営計画“JSR 20i3”を発表。震災を受けて、計画の見直しも議論されたが、基本的には目標設定を変えずに推進していくことを決定した。
この中計は2020年のありたい姿を描き、そこへ向けた初期3年間の経営計画で、2020年ビジョン到達のための“成長への始動”と位置付けている。
事業別には、2009年度から進めてきた重点投資の結果として、戦略事業の事業化を加速させ第3の収益源に育成すること、基盤事業(石化・ファイン)の内、石化事業は競争力のあるものはグローバルNo.1、No2.を目指しデファクト化を図り、ファイン事業は対面業界の成長を倍以上上回る事業拡大を達成すること、に要約される。
グローバル展開では2020年には現在の海外売上高比率45%が70%まで拡大する見通しであり、そのためには人材の多様化を進めていかなければならない。
―通期業績見通しは。