TOYO TIREおよびトーヨータイヤジャパンは、ドライブシミュレーターを活用した「タイヤ安全啓発活動」を19年から取り組んでいる。一般ドライバーに日常のタイヤ点検の重要性を理解してもらうための取組みで、これまで4年間で累計3200名がドライブシミュレーターを体験。実施後のアンケートでは体験した98%がタイヤの安全に対する意識が高まったと回答している。
23年度は全国6ヵ所のイオンモールで安全啓発活動を実施。4月15~16日のイオモールりんくう泉南(大阪府泉南市)で行われた活動は約190名がドライブシミュレーターを体験した。春(5月)と秋(9月)の全国交通安全運動期間中は会場最寄りの警察署と共同で啓発活動を行う。
5月13~14日にイオンモール東員(三重県員弁郡東員町)で行われた安全啓発活動は、同モール駐車場の一角で、同社桑名工場の近くの三重県いなべ警察署と共同で安全啓発活動を行った(いなべ警察署との共同開催は13日10時~14時)。
会場では3台のドライブシミュレーターを設置してタイヤの安全啓発活動、キズ・ひび割れ、摩耗といった整備不良タイヤの実例紹介や空気充填方法をレクチャーした。
同社が独自開発したドライブシミュレーターは、実車に近いハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダルの操作に連動して運転席から見える景色や走行音、揺れを再現する制動機能を活用。会場では次の4項目でタイヤの安全啓発活動を実施した。
一つ目は雨天時の新品タイヤと摩耗タイヤの制動距離の差を、ブレーキを踏んで比較(タイヤ溝の重要性を学ぶ)。2つ目は空気圧の違いによる操縦安定性の違いを体感(空気圧の低いタイヤと適正な空気圧のタイヤでハンドルの応答性の違いを体感)。3つ目はハイドロプレーニング現象を疑似体験(摩耗タイヤは水たまりでハイドロプレーニング現象が発生しやすく、摩耗タイヤで雨の日に高速走行する危険性を学んだ)。4つ目は新品タイヤと摩耗タイヤで雨の日のコーナリング性能の違いと、摩耗タイヤ使用によるタイヤのバーストを疑似体験した。
会場では2日間合計で約150名がドライブシミュレーターを体験。体験後実施したアンケートでは「タイヤの状態でここまで走行が変わるとは思わなかった」「空気圧を測る機会がなかった。空気圧の重要性を理解できたのでこれからはしっかり測りたい」といったコメントが寄せられた。
整備不良タイヤの実例紹介や空気充填方法のレクチャーは今年度から新たな取り組みとして行っているが、「シミュレーター体験後に、自身で日常点検をする前提で、タイヤについての知識を深めようとされる人が多い」(同社)という。
13日のいなべ警察署と共同開催時間中は、パトカーと白バイが会場に展示され、親子連れが記念撮影を楽しむ姿がみられた。同社の桑名工場は、いなべ警察署と交通安全啓発活動やテロ対策三重パートナーシップにも参画。「今後もこうした活動を通じ、いなべ地域の市民が安全で快適な生活が送れるようお手伝いしたい」(同社)と語った。