住友理工は5月17日、5月24日からパシフィコ横浜で、7月5日から、愛知県常滑市のAichi Sky Expoで開催される「人とくるまのテクノロジー展2023」に住友電気工業、住友電装と3社共同で出展すると発表した。
電気自動車(BEV)の拡大や、自動運転技術の進歩など「CASE1」への取り組みが加速し、自動車産業が大きな変革期を迎える中、同社はコアコンピタンスである「高分子材料技術」「総合評価技術」を駆使し、新たな製品や材料の研究・開発に積極的に取り組んでいる。
本展示会では、特に「C:Connected」「A:Autonomous」「E:Electric」に関わる同社グループの製品を展示する。
「Connected」「Autonomous」に貢献する製品として、センシング領域からは、「ドライバーモニタリングシステム」を出展する。
「Electric」に貢献する製品では、熱マネジメント領域の、「薄膜高断熱材、ファインシュライト」「遮熱断熱フィルム、リフレシャイン」「電池セル間断熱材」を出展。そして、水素デバイス領域からは、「FCセル用ガスケット」を展示予定となる。
展示会名は、人とくるまのテクノロジー展2023YOKOHAMA、会期は5月24日~5月26日、会場はパシフィコ横浜、ブースNo・163となる。
人とくるまのテクノロジー展2023NAGOYAでは、会期7月5日~7月7日、会場は、Aichi Sky Expo、ブースNo・120となる。
C:Connected、A:Autonomous対応では、ドライバーモニタリングシステム(シート一体型)を展示。
同社独自開発のセンサーをクッション形状に加工してシートと一体化した製品。センサーで計測した座面の圧力変化のデータを取得し、生体情報(心拍成分や呼吸成分などによるバイタルデータ)が推定できる。シート型センシング機器による計測データをもとに、ドライバーの居眠りや疲労予兆検知など、乗員の異常時対応、管理者による運行支援、労務管理といったサービスへとつなげる。
E:Electric対応では、薄膜高断熱材:ファインシュライトを展示。高分子材料技術を応用し、空気が動けないほど微細な、ナノサイズの細孔を持つ高断熱フィラー(シリカエアロゲル)を塗料化。不織布、成形樹脂などの基材にコーティングすることで、静止空気以上の高断熱性を発揮する。モビリティのEV化において、車室空間の冷暖房効果を高める本製品は、電費抑制による航続距離の延長に貢献する。
遮熱断熱フィルム:リフレシャインを展示では、建物用は、窓に設置することで、高い透明性を維持したまま、室内に入る太陽からの熱(近赤外線)を反射(遮熱)し、冬は室内の暖気(遠赤外線)を逃さない(断熱)。遮断熱の効果により、快適性を高めるとともに、冷暖房の低減によって省エネにもつながる。自動車用は、運転時の視認性確保と太陽からの熱(近赤外線)を吸収する遮熱機能を両立し、車内の快適性を高める。
電池セル間断熱材の展示では、ファインシュライトのバインダー配合技術をさらに発展させ、数百℃の高温に耐えられる断熱材をBEV用のリチウムイオン電池向けに開発。セルが異常に発熱した際に、隣接するセルへの熱連鎖を抑制し、車両火災につながるような大事故を回避する役割を担う。顧客の要求に応じて、断熱性能や硬さなどの特性を調整し、最適化を図る。
その他、FCセル用ガスケットが初出展にて行われる。トヨタ自動車のFCV:新型MIRAI向けに供給している製品で、セパレータと呼ばれる板状の部材や発電部材などからなるセルの構成部品のうち、水素と酸素、そして水の漏れを防ぐゴム製シール部材「セル用ガスケット」。新型MIRAIのFCスタックはセル330枚が積層された構造で、これら1枚1枚に本製品が搭載されている。また、セル用ガスケットは氷点下から100℃以上の広い温度領域において高いシール性を発揮し、FCVの長期安全性、高効率な発電性能に貢献している。