ランクセスは5月17日、持続可能性のさらなる向上に向けて、ポリオールおよび酸化生成物の製品ポートフォリオを拡充したことを発表した。アドバンスト工業化学品(AII)ビジネスユニットは現在、ポリオールおよび酸化生成物(POP)のポートフォリオの約80%に対して、より持続可能なソリューションを提供している。9製品のうち、化学品のトリメチロールプロパン(TMP)、アジピン酸(ADA)、1・6-ヘキサンジオール(HDO)、無水フタル酸(PSA)を含む7製品は、すでに同社の持続可能性認証ラベルである「スコープブルー(Scopeblue)」を取得している。残りの製品についても、近日中に取得する予定。
同社は、持続可能な原材料の含有率が50%超、またはカーボンフットプリントが従来の同等品の半分未満である製品に、ブランドラベル「スコープブルー」を付与しており、バリューチェーン全体で持続可能な原材料を使用していることを実証するために、クレフェルト・ユルディンゲンの生産施設において、テュフノルド(TÜV Nord)より、ISCC(国際的な持続可能性カーボン認証)Plus認証を受けている。
持続可能な新製品「TMPスコープブルー」は、バイオガスから生成されるn-ブチルアルデヒドを約54%含有し、従来品と同様の特性を有している。「TMP スコープブルー」は、すでに最大手の顧客向けに第一弾の生産を完了している。
アジピン酸および1・6-ヘキサンジオールのスコープブルー製品は、バイオベースまたはバイオ循環型由来のシクロヘキサンから生産されている。その結果、従来製品に比べてカーボンフットプリントが大幅に改善されている。アジピン酸工場には、製造工程で発生する亜酸化窒素を分解する2つの亜酸化窒素還元設備があり、この設備により、市場の標準よりも大幅に少ない排出量でこれらの基礎化学物質を製造することができる。
POP製品のカーボンフットプリントをさらに向上させるためには、原材料が最大の武器になる。そのため同社は、より多くの原材料を「グリーン」なバージョンに置き換えることに取り組んでいる。
現在、持続可能なPOP製品の主な需要はヨーロッパにあるが、アジアやアメリカの競合他社は、まだグリーンな代替製品をポートフォリオに組み込んでいないため、同社は、アジアやアメリカの市場にも可能性を見出している。
2023年05月19日