日本ゼオン 古河 直純社長 -2012年1月1日号掲載-
C5留分事業を拡充・強化
S―SBR、水添NBR能増へ 成長市場へのグローバル化加速
「エラストマー素材事業は円高、コストアップにどう対応するかが課題」とする古河直純社長。エラストマー事業戦略を聞いた。
―11年を振り返って。
古河社長 100年に一度のリーマンショックをどうにか乗り越えて11年3月期決算は過去最高益となったが、2011年3月に今度は1000年に一度の東日本大震災が発生した。しかし、世界的にも需要が拡大し、今上期は過去最高益となった。その後、タイの洪水が発生したが、上期だけをみると最高益となり、上期は原料が安い時の在庫が中国を主体に需要が強く海外で高く売れたことが寄与、下期は上期の高い在庫を安く売らなければならず、下期はかなり苦戦するだろうと思う。
高機能素材はモバイル向け光学フィルム等が堅調に推移した一方、世界的な市況の悪化を受け、テレビ向け光学フィルムの需要が落ち込み下期は赤字基調になるだろう。
タイ洪水では当社工場の直接の被害は無いが、CMB、石油樹脂の受注が半減したものの、トータルでは上期の好調で黒字を確保できた。
―下期のエラストマーの需要動向は。
古河社長 国内の汎用ゴムはそんなに落ちないとみているが、特殊ゴムは多少落ちるだろう。輸出は中国の金融引き締めで引き合いが弱くなっている。エラストマーの輸出比率は数量ベースで現在5割ぐらいだが、円高の影響は大きく、1円で7億円の減益となるが、ナフサ安で3億円ぐらい戻ってくる。しかし、ナフサが安くなると連動でお客様に返さなければならない。
―エラストマーの能力増強を進めているが。