NHVコーポがラインナップ拡充 電子線照射装置で新商品

2023年05月24日

ゴムタイムス社

 日新電機のグループ会社で電子線照射装置(EPS)の開発から販売、電子線照射サービスの受託を行うNHVコーポレーションは5月22日、EPSの従来製品(スキャン型EPS)と比較して、コンパクト化・メンテナンス性向上・コストダウンを実現した「EB-XW(イービーエックスダブリュー)」を開発し、ラインアップを拡充したと発表した。
 2025年までに、15億円の売り上げを目指す。
 同社グループは中長期計画「VISION2025」において、6つの成長戦略に取り組んでいる。本件は「EV拡大に伴う事業拡大」に寄与する事業活動の一つとなる。
 EPSとは、高速の電子線を利用して、物質の改質・品質向上、滅菌などを行う装置。
 幅広い分野で利用しており、例えばタイヤの軽量化による燃費向上、食品包装フィルムの高性能化で食品ロス軽減といった環境配慮に向けた製品づくりに貢献している。
 同社のEPSは、60年以上にわたり世界35ヵ国以上、さまざまな分野のユーザーに利用いただいている信頼性の高い装置となる。今回、狭いスペースでの設置や高さの制限、メンテナンス作業の効率化・安全性など、ユーザーの要望に応えるため開発した。
 今後も高度な技術力とユーザーの対話を通じて、社会に貢献できる装置を開発していく。
 製品名は、EB-XW800、加速電圧は800kV、照射幅は120cm、装置寸法は、W6800×D8200×H3000mmとなる。
 新製品「イービーエックスダブリュー」の特長は、コンパクト、メンテナンス性、環境への配慮の3つ。
 装置の中核である加速管・電源タンクを一体化することにより、従来型より30%の小型化を実現し、加速管・電源タンクをスライドして引き出せるため、開放空間で加速管部のメンテナンス作業が可能、さらに、照射室は可動式であるため、広いスペースで材料搬送部およびEPSのメンテナンスが可能となる。それにより、メンテナンス時の安全性が確保できる。
 環境へ配慮するため、遮へい主材料の鉛の使用を従来製品より大幅に低減(約97%減)、将来的に鉛ゼロを目指す。また、本改良により同時にコストダウンも実現した。

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