弘進ゴム 西井 英正社長 -2012年1月1日号掲載-
化工品は内製化で事業変革
今上期 シューズ部門2ケタ増に 震災関連需要、価格改定が寄与
今上期もシューズ部門の売上げ増で増収増益となった弘進ゴム。化工品事業では提案型商品の拡大を図る西井英正社長に今後の事業戦略を聞いた。
―11年を振り返って。
西井社長 東日本大震災は当社事業にとっても甚大な影響が予想されたため、6月から始まった新年度計画ではシューズウエア事業の大幅な売上高減少を見込み、特に被災地域に限っては40~60%ダウンと予想した。しかし、その後の復旧は予想以上に早く、復旧・復興に伴う特需などもあり、一旦失われた商圏は取引口座ベースでおよそ70%まで回復してきた。
タイの洪水では自動車産業がダメージを受けたため、当社でも化工品のホース部門で部品受注の減少が生じた。一方、復旧作業に必要ということで胴付長などが現地企業や大使館からの緊急注文が入り対応してきた。
また、天然ゴム価格の高騰は中国製品の調達コストを圧迫。当社は安定供給を果たすため、中国工場の値上げ要求に応じざるを得なく、日本国内でも2月からゴム長靴の販売価格を平均15%引き上げた。長引く円高が値上げの逆風になっていたが、ここにきてようやく浸透してきた。また、塩ビ・可塑剤などの原材料価格高騰もビニル製品を生産する亘理工場の生産コストを押し上げており、ビニルホース関連も値上げに踏み切ったが、部品事業の難しさもあり、まだまだ浸透していない状況である。
―今期(2012年5月期)の業績見通しは。
西井社長 今上期(6月から11月)もシューズ部門が大きく伸び売上高は前期比106・1%の61億6400万円と前期に引き続き、工場稼働率の上昇、人件費圧縮が寄与し増収増益となった。
シューズ部門はレインブーツが好調推移したほか、震災需要、価格改定が寄与し、売上高は36億8500万円、前期比113%と伸長した。化工品部門は24億7800万円、前期比96・7%。工業品(ホース)が自動車用ホースの需要回復、建機向けホースや原発関連のサクションホースの引き合いが活発化し、前期比108・3%となったが、産業資材(シート)がEVAフィルムの需要ダウンで前期比75・9%と落ち込んだ。通期業績見通しは下期の産業資材の需要ダウンも大きく総売上高は119億3800万円、前期比101・6%を計画している。
―12年度の経営課題は。