朝日ラバー 横山 林吉社長 -2012年1月1日号掲載-
中計で海外売上高比率20%目指す
医療・衛生ゴム製品が好調 中国上海に照明製品販社
3ヶ年の中期経営計画を策定し、「新しい価値」を提供する真の中堅企業を目指す朝日ラバー。横山林吉社長に今後の事業戦略を聞いた。
―11年を振り返って。
横山社長 東日本大震災による原材料、部品の供給網、サプライチェーンの寸断が業績に大きな影響を与えた。当社の福島工場もダメージを受け、3月下旬までに復旧したが、自動車の減産によりアサカラーLEDを中心とした車載関連製品が第1四半期は特に落ち込んだ。7月以降からは当社の主力製品である車載用LEDが回復基調に入り、9月には前年同期平均を上回るほどの急回復をみせた。上期は弟1四半期が低迷、第2四半期に回復基調となり、結果として上期は売上高は前期比1・3%の微減にとどまった。なかでも車載関連、工業品は大きくマイナスとなり2ケタの減収となった。
上期が微減にとどまったのは、医療用ゴム製品が前期比51%増と大きく伸び、原価低減に努めた結果、利益が確保できるまでの事業になったほか、卓球ラバーも2割強と伸びたのが大きい。
収益面では単体では前期を上回ったが、中国の東莞工場が震災の影響で車載関連製品の需要が落ち込んだほか、朝日橡膠香港も子会社の閉鎖に伴う損失もあり収益がダウンし連結ベースでは減益となった。単体では原価低減、歩留まりの改善や生産効率化が寄与、震災で社員の意識も高まった。
―下期以降の需給動向は。
横山社長 9月、10月までは車載関連、工業品事業部、医療、スポーツ事業も堅調であったが、11月に入りタイ洪水の影響で車載関連製品の一部受注がキャンセルされた。当社はタイの日系部品メーカーにホンダ向けの車載用のアサカラーLEDを納入しており、タイの自動車減産が響いてくる。
―通期業績見通しは。