山下ゴム 鵜飼脩社長 -2012年1月1日号掲載-
グローバルで最廉価調達を徹底
インドに自動車用防振ゴム工場 新興国での生産能力を拡大
インドでの新工場建設を決めグローバル海外展開を加速させる山下ゴム。鵜飼脩社長に今後の事業戦略を聞いた。
―11年を振り返って。
鵜飼社長 東日本大震災の影響により主力需要業界であるホンダの4輪車生産台数の大幅な減少により、上期連結業績は185億1800万円、前年同期比25・2%減、経常損失4億8900万円の赤字となった。今上期は東日本大震災の影響により、主力需要先であるホンダの完成車生産がグローバルベースで前年同期に比べ約4割ダウンしたことに加え、原材料価格の高騰、為替円高が収益を大きく圧迫した。
現在、当社の輸出比率は米国向け主体に一部欧州、中国向けに約20%を占めるが、海外展開の加速、グローバル最廉価調達の徹底を図ることで12年度半ばまでにすべてを海外現地生産に切り替える方針でいる。
―通期業績見通しは。
鵜飼社長 リーマンショックが終わり、安堵していたところに東日本大震災、10月のタイ洪水、そして円高とまさに3重苦にあり、需要環境が大きく変化している。コスト競争力についても成長著しい新興国が激しく迫ってきており、いかにコスト競争力をつけるかが課題。下期以降はタイ洪水の影響で受注が減っているが、生産再開後の見込み受注に対応、現在、国内、アメリカ、中国でフル生産を行っている。通期業績は単体で売上高は290億円前後、収益は2桁を維持、連結では売上高430億円前後、収益は上期の赤字から脱却し黒字転換を見込んでいる。
―中期経営計画の進捗状況は。