カーボンニュートラル構想具現化 三井化学が大阪工場で開始

2023年06月02日

ゴムタイムス社

 三井化学は6月1日、同社グループの脱炭素を達成するため、同社の主力工場の一つである大阪工場をモデルに2030年近傍に実装可能な技術をパッケージ化した「大阪工場カーボンニュートラル構想」を策定し、今後、具現化を進めていくことを発表した。
 同構想により、分解炉にてナフサを約850℃で熱分解する際の燃料を、現状のメタンからクリーンアンモニアに転換し、分解炉から排出するCO2を削減する。分解炉は複数基あり、全ての分解炉の燃料転換を行えば、CO2約70万tの削減が見込まれる。
 現在、化学品の原料として使用している化石由来ナフサをバイオマス原料(バイオマスナフサなど)や廃プラ油化に転換する。これによりバイオマス化学品を製造すると共に、工場で排出するCO220万tに対しマスバランス方式でバイオマス由来特性を割当て、さらにCO2排出をキャンセルすることを検討する。
 ナフサクラッカーで生産する副生ガス・オイルは、用役プラント他で有効活用しているが、その際に排出されるCO270万tを回収装置と液化装置にて、液化CO2に変換し、その一部をコンビナート連携により利活用することを検討(CCU)。さらに、コンビナート連携により大規模化を図りながら、地中に貯留・圧入することを検討する(CCS)。
 同社は本構想推進のため、原燃料転換、CCU、CCSに関して、堺・泉北臨海コンビナートの他社と連携を目指す。また、本構想の実現には大規模な設備投資が必要であり、適切なナフサクラッカーの生産能力、投資回収見通しなどを慎重に見極め、検討を進めていく。

大阪工場全景

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