ランクセスは6月1日、5月23日~25 日に行われた「The Battery Show Europe 2023」に出展し、電気自動車やハイブリッド自動車に搭載する電池のポートフォリオを紹介したと発表した。
ドイツ・シュトゥットガルトで開催された同展示会では、急成長するこの分野の最先端技術と生産プロセスを紹介する欧州最大の展示会。同社は、リチウムイオン電池生産のバリューチェーン全体にわたって、数多くの主要な原料を提供している。
主要原料には正極材料や電解液の原料、正極材料用の超高純度金属化合物を抽出およびリサイクルするためのイオン交換樹脂、高電圧用の冷媒や着色剤に加えて、電子電池部品を保護するためのポリウレタン(PU)キャスティング・コンパウンドなどが含まれる。また、その他の主要な製品分野としては難燃剤が挙げられ、高性能プラスチックや不燃性電解液に使用することでバッテリーセル内外の安全性向上に貢献する。
難燃性の高性能プラスチックは、具体的には電気自動車のバッテリーモジュール、バッテリーハウジング、高電圧コネクターなどの部品のほか、充電インフラにも使用している。
高性能プラスチック部品の効果的な難燃性を保証するために、同社は各種ポリマー用のリン系および臭素系の難燃剤を数多く提供している。
保守や組み立て作業を行う整備士や救助活動にあたる救急隊員に対する警告を促す安全対策として、電気自動車の高電圧部品にはオレンジ色が使用している。「マクロレックス(Macrolex)オレンジ HT」で染色されたプラスチックは、色および温度の安定性に優れている。
電気自動車のバッテリー充電の高速化に向けて市場は進んでいるが、これはかなりの熱量を発生させるものとなる。この熱は、電池を冷却液に浸漬する直接冷却によって効果的に放散させることができる。
同社はリン酸エステルなどのさまざまな冷却液を提供している。同社が提供する冷却液は非導電性で難燃性が高く、急速充電時など、様々な条件下において安全な充電に重要な性能を備えている。同社は難燃性冷却液の専門知識を活用して、この課題に取り組む。
レバークーゼンに拠点を置く同社の子会社であるサルティゴは中国の広州天賜高新材料股份有限公司(天賜材料)と、リチウムイオン電池用電解液調合に関する協力関係を結んだ。天賜材料は、世界有数のリチウムイオン電池材料メーカー。天賜材料は、欧州のバッテリーセルメーカーに同社で調合した超高純度の電解液を現地供給する。
2023年06月05日