ブリヂストンは6月1日、経済産業省と東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構が共同で紹介する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2023」に4年連続で選定されたことを発表した。DX銘柄とは、東京証券取引所の上場会社の中から、デジタル技術を前提として、ビジネスモデルなどを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取り組む企業を、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」として、業種区分ごとに選定するもの。
同社流のDXは、「より大きなデータで、より早く、より容易に、より正確に」をテーマとし、長年現場で培った強い「リアル」としての匠の技と、「デジタル」の融合によりイノベーションの加速を目指している。
今回、「DX銘柄2023」選定にあたって評価された取り組みは、タイヤを「創って売る」から、タイヤを「使う」段階のバリューチェーン全体において、強い「リアル」としての断トツ商品と「デジタル」を組み合わせて顧客の困りごとを解決すると共に、資源生産性向上やCO2削減にも貢献する「循環ビジネスモデル」の確立に向けたもの。同社は、このような取り組みを通じて、タイヤを安全に、長く、上手く、そして効率的な使用のためのソリューションの提供により、社会価値・顧客価値を創出していく。具体的な取り組みについては、同社デジタルソリューションツール「BASys(ベイシス)」と、「Tirematics(タイヤマティクス)」によるものとなる。
トラック・バス用リトレッドタイヤに関するデジタルソリューションツール「ベイシス」は、使用済のタイヤをリトレッド工場で預かり、検査、修理、加工を経て、顧客へ返却するまでの製造、品質、在庫などに関する情報を管理するツール。各プロセス別にリアルタイムに情報を把握し分析することで、生産の効率化や品質向上を実現する。また、蓄積されたデータを分析する事で、より高い精度で、使用条件に応じた最適なタイヤを推奨することが可能となる。リトレッド製造販売を行う同社グループの工場・フランチャイズショップで展開している「ベイシス」を通じた品質・サービスの向上により、安全運行とトータルタイヤコストの最適化に貢献する。
「タイヤマティクス」は、タイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)で計測したタイヤの空気圧と温度の情報を遠隔モニタリングすることができるデジタルソリューションツール。同社は、2022年9月より日本国内の輸送事業者向けに、「タイヤマティクス」を活用した新サービス「リアルタイムモニタリング」の提供を開始した。タイヤの空気圧と温度をリアルタイムにモニタリングすることで、日々のタイヤ点検の精度が向上し、タイヤ起因の運行トラブルの未然防止につながる。走行中にタイヤの空気圧や温度に異常が検知された際には、車両管理者・運行管理者などにアラート通知すると共に、ドライバーにも直接通知する。また、遠隔でタイヤの状態と車両位置情報が確認できることで、日本全国に900以上の拠点を持つ「ブリヂストンサービスネットワーク(BSN)」を活用した迅速なメンテナンスサービスの提供も可能となり、さらなる安全運行と安定稼働に貢献する。さらに、タイヤの空気圧を適正に管理することで、車両走行中のCO2排出量削減などの環境負荷低減にも貢献する。
同社のバリューチェーン全体における同社流のDX推進により、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げる8つの価値(Energy, Ecology, Efficiency, Extension, Economy, Emotion, Ease, Empowerment) を、従業員、社会、パートナー、顧客と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていく。
2023年06月05日