デンカは6月6日、一般社団法人日本化学工業協会(以下、「日化協」)より、第55回日化協技術賞「環境技術賞」を受賞したことを発表した。
日化協技術賞は優れた化学技術の開発や工業化によって化学産業ならびに経済社会の発展に寄与した事業者を表彰する制度であり、「総合賞」、「技術特別賞」、「環境技術賞」の3つがある。「環境技術賞」は、独創的技術あるいは改良技術で、環境負荷低減に対して著しい効果があり、科学技術の進歩に寄与したものに贈られる。今回受賞対象となった技術は「CO2吸収・固定型コンクリートの実現に資する特殊混和材「LEAF」の開発と製品化」。
同社の特殊混和材「LEAF」は、化学製品の製造工程で生じる副産物である消石灰を原料としており、セメントを製造する際に使用する石灰石の代替として入れることで、一般的なセメント製造時と比べてCO2排出量を約8割削減することが可能。また、水と反応せず、優先的にCO2と反応し炭酸カルシウムを生成することにより、コンクリートの強度と耐久性を向上させる。「LEAF」の特徴を活かした用途の一つとしてCO2吸収・固定型コンクリート「CO2-SUICOM」があり、脱炭素社会の実現に向けたCO2利用技術(CCU)として注目を浴びている。
同社は2030年度までの8カ年を対象とする経営計画「Mission2030」において、サステナビリティ追求に向けた重点施策の1つとして、CO2コンクリート固定化技術の確立に向けた取り組みを開始している。2022年、「LEAF」およびCO2吸収・固定型コンクリートのさらなる普及拡大を目指して、鹿島建設、竹中工務店および同社の3社を幹事会社とする55の企業・大学・研究機関にてコンソーシアムを結成し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業の下、脱炭素・活炭素社会の実現に向けた研究開発を行っている。
同社はこれからも、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスのもと、世界に誇れる化学で、人々の暮らしと社会に貢献し続ける。
2023年06月08日