住友化学が新指標を策定 GHG排出削減貢献量

2023年06月19日

ゴムタイムス社

 住友化学は6月15日、同社製品・技術のカーボンニュートラル(CN)に対する貢献度合いをより明確に示すため、新たな指標として「Science Based Contributions」(SBC)を策定したと発表した。
 温室効果ガス(GHG)排出の「削減貢献量」を算出して可視化し、製品・技術を通じた社会全体のCN実現に向けた取り組みを加速させる。
 同社は、2015年より、製品ライフサイクル全体の視点で、気候変動対応や環境負荷低減などに貢献する同社グループの製品・技術を自社で認定し、その開発や普及を促進する「Sumika Sustainable Solutions」(SSS)の取り組みを進めてきた。
 22年度にはSSS認定製品・技術数は66、売上収益は約6800億円に達し、全社売上収益に占める割合は24%まで拡大した。
 SBCは、同社が販売・供与したSSS認定製品・技術の活用を通じて、社会でどの程度の量のGHGが削減したかを定量的かつ科学的に算定するものとなる。対象製品の製品カーボンフットプリント(CFP)や販売量、ライセンスプラントの生産能力を基に算出した数値であり、算出方法は外部有識者により確認している。
現在、GHG削減貢献量算出に関するルールなどの議論がグローバルで活発化している。同社は今後、SBCを通じて各方面でGHG削減貢献量に関する議論が深まることを期待している。
 SBCを用いたGHG削減貢献量の算出方法は、1.SSS認定品を「技術」「最終製品」「素材・部品」の3つのカテゴリーに分類、2.ベースラインは2013年時点の普及技術・製品、3.ベースラインと対象品のCFP差分×単年販売量の3つの考えに基づき、対象製品のCFPや販売量、対象技術のライセンス供与先プラントの生産能力を基に算出する手法を採用している。
 SBCは、SSS認定品の中から、確実にGHG排出量削減が見込まれる技術や最終製品を厳選した上で、ライセンシーやユーザーにおける社会での削減貢献量として算定した。
 22年度のSBCの実績は、「技術」で270万tCO2e(二酸化炭素換算値)、「最終製品」で560万t、これらの合計で830万tとなっている。
 同社は、社会での同社製品・技術の貢献に関して、SBCを用いてステークホルダーの方々の積極的な情報開示を通じて理解促進に努めるとともに、世界のCN実現に向けた取り組みを推進していく。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー