ランクセスは6月19日、環境保護への取り組みを推進すると発表した。
同社は、環境保護と持続可能な社会的発展に取り組むグローバル企業として、6月を環境保護強化月間と位置づけ、国内での環境保護への取り組みを実施している。
今年も、2つの具体的な取り組みを通して、従業員の環境保護への意識を高めるとともに、環境保護に貢献する活動を実施する。
1つ目の取り組みは、同社が2014年から実施している「CO2削減/ライトダウンキャンペーン」。国内全3拠点のオフィス内での一斉消灯に加え、各自のホームオフィス(自宅)にて可能な限りの一斉消灯を行う。
2つ目の取り組みは、「マイボトル・マイカップキャンペーン」の実施。同キャンペーンは、国内3拠点を対象に、従業員のマイボトル及びマイカップの使用を促進することにより、社内での紙コップの使用量を削減する。
同社日本法人で代表取締役社長を務めるジャック・ペレズ氏は、「ランクセスは、お客様にとって持続可能なパートナーとなるべく、明確なロードマップと対策を推進している。ランクセスは2040年までのスコープ1及び2の自社排出におけるクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すと共に、「ネットゼロバリューチェーン2050」の目標のもと、バリューチェーン全体におけるスコープ3の排出量を最終的に中立にすることを目指す。日本においても、この機会に社内及び地域社会での環境に対する意識向上に取り組んでいくと共に、持続可能な製品の提供を積極的に進め環境保護への取り組みを推進して参りたいと思う」と述べている。
また、同社はこれらのキャンペーンに加え、サステナビリティをテーマにした従業員向けのオンラインセミナーを年間を通して開催し、持続可能性を推進する企業文化、イノベーションの醸成にも努めている。
さらに、今年3月には、グループ全体で提供する自社製品のカーボンフットプリントを自動的に算出するツール「プロダクト・カーボンフットプリント・エンジン」を発表し、製品ライフサイクルにおけるゆりかごからゲート(Cradle-to-gate)アプローチに従い、生産時の温室効果ガス排出量に加えて、製品毎の原材料、消費エネルギー、操業用資材、物流からの排出量及び廃棄物処理による排出量などに関して、ユーザーへ情報を提供することが可能となった。同社は、これにより顧客企業の持続可能性の目標達成を支援することを目指している。
同社日本法人では、2014年より「CO2削減/ライトダウンキャンペーンキャンペーン」に参加しており、今年で9年目の実施となる。
今年は、同社の国内全3拠点において、6月21日および7月7日の夜8時から10時までの2時間、オフィス照明の一斉消灯を実施するとともに、従業員やその家族にもホームオフィスでの可能な限りの一斉消灯を呼びかける。この消灯による消費電力削減量は、国内全3拠点で1実施日あたり約76kWh、ホームオフィスでの削減分は測定不可能だが貴重なCO2の削減となる見込み。
マイボトル・マイカップキャンペーンは、2020年に従業員の自主的な取り組みとして開始された。今年度は、7月から9月までの3ヵ月間、国内3拠点を対象に実施し、実施期間中、事業所内での紙コップの削減量をモニターすることで効果を測定する。
同社は、今後、サプライチェーン全体における排出量に注力していく。
2022年8月、同社は、スコープ3排出量に関してグループ全体で2050年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指す目標を設定した。この目標には、特に購入原材料からの間接排出だけでなく、物流や最終製品からの排出も含まれる。
自社の製造プロセスから発生する直接排出(スコープ1)および外部エネルギー源による排出(スコープ2)については、同社はすでに3年前に、2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)達成するための目標を設定していた。
科学的根拠に基づく目標イニシアティブ(SBTi)は、同社の気候目標が地球温暖化を1・5℃未満に抑えるために有効であり、パリ協定に合致していることを認証している。
同社は、スコープ3の目標を達成するため、全社的なネットゼロ・バリューチェーン・プログラムを開始した。このプログラムの一環として、同社は、持続可能な原材料の調達を増やし、「グリーン」ロジスティクスを導入し、クライメイト・ニュートラル製品のポートフォリオを拡大している。
同社は、国際的な気候変動問題などへの取り組みを行う団体CDPから、グローバルリーダーの一社に認定された。CDPの2022年の調査において最高評価を獲得し、「気候変動A リスト」(世界で283社)に選定された。これは、CDPが調査した1万5000社以上の企業のうちの上位2%に入る。
さらに、「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」の構成銘柄にも選出されている。「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス(DJSI)」のヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)において 100ポイント中85ポイントを獲得し、引き続き化学部門で第1位を獲得している。
ワールド・インデックス(DJSI World)でも第2位を獲得し、特にプロダクト・スチュワードシップ、水関連リスク管理、人権の分野で高い評価を得た。
持続可能性に特化した評価機関であるMSCIがESG分野における同社の格付けを引き続き「AA」と認定した。また、エコバディス(EcoVadis)のサステナビリティ格付けで、2022年、同社はプラチナレベルを獲得している。プラチナレベルの格付けは、エコバディス(EcoVadis)が分析した7万5000社のうち、上位1%に与えられるものとなる。
同社は、世界33ヵ国で事業を展開する大手特殊化学品メーカー。2022年の総売上は81 億ユーロにのぼり、全世界の従業員数は約1万3200人、主な事業は、中間体、添加剤、コンシューマープロテクション製品の開発、製造とマーケティングとなる。
同社は、持続可能性に優れた企業を選定する「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス」のワールド・インデックス(DJSI World)、ヨーロッパ・インデックス(DJSI Europe)および「FTSE4Good」の構成銘柄となる。
2023年06月20日