豊田合成は6月19日、株式会社豊田中央研究所と、ゴム製品の生産工程におけるエネルギー使用量を低減する新技術を共同開発したことを発表した。
ゴム製の自動車用ホースは、弾性を持たせるため、成形後に高温の蒸気で満たした大型の缶に入れて加熱する。その際、所定の温度まで上昇させるのに大量の蒸気を使用しており、蒸気を作り出すために使用するガスを大量に消費していた。同社は蒸気の使用量を減らすため、缶内の空気を蒸気に入れ替えるプロセスに着目、内部の気流や熱分布を高い精度で解析できる豊田中央研究所のシミュレーション技術を活用し、入れ替え時に必要な蒸気量を従来から半減させる技術(特許共同出願中)を開発した。
この省エネ技術は、同社の森町工場(静岡県周智郡)で活用しており、年間110トンのCO2削減につながる。今後、国内外において、ゴム製品の生産工程への適用拡大を予定しており、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて取り組みを推進していく。
2023年06月20日