帝人フロンティアは6月21日、人差し指の内側でICタグをピンポイントで的確に読み取ることができるハンズフリータイプのUHF帯ウエアラブル型RFIDリーダー「RecoHand(レコハンド)」を開発したと発表した。
この「レコハンド」は、二次元通信による RFID管理技術を活用した物品管理システムである「レコピック」および「レコファインダー」を展開する「Reco(レコ)シリーズ」の技術コンセプトをもとに開発している。
近年、アパレルや医療など、さまざまな業界の物流現場において、商品の棚卸や入出庫を中心に業務効率化を目的としたICタグの活用が広がっている。
そのような場面では、ハンディ型RFIDリーダーを使用して一括で大量にICタグを読み取ることで効率化が進んでいる。
一方、仕分けやピッキングなど個品単位で管理が必要とされる作業においては、主にバーコードが利用されている。
しかし、バーコードの読み取りには、レーザーを個品一つ一つに対して照射する必要があり、「触れる」「持つ」「運ぶ」といった作業と同時に行うことができないため効率化のニーズが高まっていた。
こうした中、同社は、このようなニーズに対応するため、手に装着して人差し指の内側でICタグをピンポイントで的確に読み取ることが可能なUHF帯ウエアラブル型RFIDリーダー「レコハンド」を開発した。
「レコハンド」の特長は、仕分けやピッキング作業と同時にICタグの読み取りが可能という点。
同社独自のRFIDシステム技術を活用し、人差し指の内側 0~30mmの近傍読み取りを可能とした。これにより「触れる」「持つ」「運ぶ」といった一連の仕分けやピッキング作業を行いながら、対象ICタグのみを読み取りできるため、従来のバーコードを利用した場合と比較して、仕分けやピッキング作業に要する時間を50%短縮する。
その他、同社の高機能繊維を使用しているという特長もある。
本体の肌側に超極細繊維「ナノフロント」を使用することで、すべりにくくフィット感が向上し、作業時に安定感のある使い心地を実現する。
また、表地には形態安定性を有するポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」と、緻密で堅牢性を有する「デルタ」を用いるとともに、撥水加工も施しており、耐久性と実用性を兼ね備えている。
本体はリーダーライターを取り外して、家庭洗濯が可能となる。
製品名は、「RecoHand(レコハンド) 」、製品サイズは、Sサイズ・Lサイズ、重量 は、約76・5g(電池込み)、周波数帯は、916・8~923・4MHz、通信可能なICタグは、ISO/IEC18000-63及び EPCglobal Class1 Gen2 準拠、充電池容量は、550mAh、動作時間は約4時間、通信インターフェースは、Bluetooth5・1準拠Class2となる。
今後の展開として、本年6月から、物流・医療現場におけるピッキングや仕分け用途向けに展開を開始する。その後、製造現場における物品や工程の管理、小売業界の決済用途および、書籍管理などに順次、拡販を図っていくとともに、海外へも展開していくことで、2030年度に国内外で10億円の売上を目指す。
その他、同社が有する「レコシリーズ」などの電波制御技術やセンシング技術を活用し、社会が求める新たな価値を提供するために、今後も幅広いRFIDソリューションの開発を進めていく。
「レコハンド」は、2023年6月21日~23日に東京ビッグサイトで開催される「第35回 設計・製造ソリューション展」に出展する。
2023年06月22日