凸版印刷は6月22日、同社と三菱ケミカルグループ、共栄社化学の3社が、包装材料の製造工場から排出される廃プラスチックを水平リサイクルすることを目的とする、マテリアルリサイクル生産プロセスを共同開発する契約を2023年3月15日に締結したことを発表した。生産実証プロセスの原理検証機の導入を含む、マテリアルリサイクルの生産プロセスの実証試験を、6月より開始する。
近年、地球温暖化対策や石油資源の有効活用の観点から、廃プラスチックを焼却処理するだけでなく原材料として再利用するリサイクルのスキームを構築することが喫緊の課題となっている。プラスチック複合素材を使用した包装材を、水平リサイクルする場合、包装資材に利用可能なフィルムに再生することに課題がある。
今回プロセス開発するマテリアルリサイクル技術は、プラスチック複合素材の包装材料を剥離・脱墨・分離し、素材別の樹脂として取り出すことが可能。分離して取り出された各々の樹脂は品質劣化が少なく、リサイクル樹脂として洗剤やシャンプーなどのトイレタリー製品や食品の包装材に使用するフィルムの原料としての利用を検討している。3社は、マテリアルリサイクルされたプラスチックフィルムの生産プロセスを開発し、2027年度の社会実装を目指す。
同社、三菱ケミカルグループと共栄社化学の3社は今回の取り組みを通じて、使用済みプラスチックフィルムの再資源化を推進し、持続可能な循環型社会の実現に貢献する。
2023年06月26日