横浜ゴムは6月26日、同社の「アドバン」レーシングタイヤ装着車が2023年6月25日に米国・コロラド州で開催された「第101回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」で2年連続の総合優勝を果たしたことを発表した。今回、優勝マシンはサステナブル素材を使用した「アドバン A005(ドライ用)」を装着して勝利した。同社はグローバルフラッグシップタイヤブランド「アドバン」45周年となる本年は「アドバン」最大化への挑戦「ADVAN CHALLENGE」のテーマの下、同レースでの2年連続の総合優勝を掲げており、目標を達成した。
総合優勝したのはアンリミテッドクラスに出場したRobin Shute(ロビン・シュート)選手の「2018 Wolf TSC-FS」でタイムは8分40秒080を記録。シュート選手は昨年もアドバンレーシングタイヤを装着して総合優勝を果たしており、2連覇となった。今回装着した「アドバン A005」は、本年より「全日本スーパーフォーミュラ選手権」にワンメイク供給しているものと同スペックで、従来タイヤと同等のグリップ性能を維持しながらサステナブル素材比率33%を達成している。また、サイドウォールにバイオマス由来のゴムを使用し再生可能原料比率を高めた「アドバン A005」を装着してエキシビションクラスに参戦したRandy Pobst選手の「2021 Tesla Model S Plaid」がクラス2位を獲得。サステナブル素材を使用したタイヤにおいても優れた走行性能を実現する同社の高い技術力を実証した。
そのほかの供給タイヤを装着した選手も活躍し、Tanner Foust選手の「2023 Radford Type 62-2」がエキシビションクラスで、Codie Vahsholtz選手の「2013 Ford Open Vahsholtz Custom」がオープンホイールクラスで、さらにDavid Donohue選手の「2019 Porsche GT2 RS Clubsport」がタイムアタック1クラスでそれぞれ優勝。また「アドバン A052」のワンメイクで競われる「ポルシェ パイクスピークトロフィー by Yokohama」クラスではHayden Bradley選手がクラストップでフィニッシュした。アドバンレーシングタイヤ装着車は総合優勝を含めて全5クラスで優勝し、同社は勝利を足元から支えた。
「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」は1916年から開催されている伝統あるヒルクライムレース。別名「雲へ向かうレース」と呼ばれ、標高2862mのスタート地点から標高4300mにあるゴールまでの約20kmのコースにて競われる。同社のタイヤ装着車は2020年と2022年に総合優勝を果たしている。
同社は2021年度から2023年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」(ヨコハマ・トランスフォーメーション・ニーゼロニーサン)のタイヤ消費財事業において高付加価値商品の主力であるグローバルフラッグシップタイヤブランド「アドバン」、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「ジオランダー」、そして「ウィンタータイヤ」の販売構成比率最大化を掲げている。その中で、モータースポーツ活動を先行技術開発および「アドバン」「ジオランダー」ブランド強化の場と位置付け、トップカテゴリーからグラスルーツカテゴリーまで国内外の多岐にわたるモータースポーツ競技で培った技術を高性能・高品質な新車用および市販用タイヤの開発にフィードバックしている。
また、サステナビリティ経営において「未来への思いやり」をスローガンに掲げ、事業活動を通じた社会課題への貢献を持続的な企業価値向上に繋げていく。サーキュラーエコノミーではサステナブル素材の使用率を2030年に30%以上、2050年に100%とすることを目指している。
2023年06月27日