ポリプラスチックスは6月28日、「LCPやPPSでも接着剤を用いた高気密のインサート成形が可能:現場の作業で低コストを実現できる異材接合技術」を同社サイトに公開したことを発表した。
防水コネクタ等、金属端子・樹脂間の止水や気密性確保が求められる場合に、従来技術より簡便で、リードタイム・コスト・環境対応を解決する新成形用接着剤を用いた接着技術(成形接着)が紹介されている。この新成形用接着剤の使用により、今まで難しかったLCP(液晶ポリマー)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)においても高気密のインサート成形品が得られる。
LCPやPPSは成形時の樹脂温度が高く、優れた耐薬品性を有している。そのため使用する成形用接着剤には成形時の高い樹脂温度でも接着剤が流出や変質せず、成形後に樹脂と金属双方に密着して気密性を確保できることが求められるため、成形接着は難易度の高い接着方法であった。今回紹介されている熱可塑性樹脂をベースとして処方を最適化した成形用接着剤は、LCPやPPSの成形接着でも安定した高い気密性を確保できる。無垢のCu、Alだけでなく端子にメッキ処理がされていても気密性が発現し、リフロー工程を複数回行っても、成形後と同等の気密性を確保することが可能。また熱可塑性樹脂の特性を生かして、高温にすることで金属と剥離させることができる為、リサイクルの観点でも優れた工法となっている。
2023年06月29日