東ソーは6月29日、東京大学大学院工学系研究科(東京大学)と開発した環境対応型ジルコニア新規粉末「ZgaiaTM1・5Y-HT」に関する共同研究成果として、「Ultrahigh toughness zirconia ceramics」の論文を発表し、由緒あるアメリカの総合科学学術雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されたと発表した。
同成果は、2020年7月1日に東京大学に設置した「次世代ジルコニア創出」社会連携講座を通じて得られた成果であり、同社が開発した従来の常識を覆す高靭性ジルコニアグレード「ZgaiaTM1・5Y-HT」に対し、最先端の電子顕微鏡を駆使した原子レベルでの微構造解析により、機能発現の組織形態を明確化した。
同社は、引続き、「次世代ジルコニア創出」社会連携講座を通じて、ジルコニアセラミックスの飛躍的な特性向上実現と高度な材料開発研究が推進できる有能な人材の育成・輩出を目指すとともに、社会の諸課題の解決に向けた技術開発を加速し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
論文タイトルは、「Ultrahigh toughness zirconia ceramics」、著者は、松井光二氏(東京大学大学院工学系研究科 次世代ジルコニア創出社会連携講座 特任上席研究員 元東ソー 無機材料研究所 主席研究員)、細井浩平氏(東ソー 無機材料研究所 セラミックスG 主任研究員)、馮斌(フウビン)氏(東京大学 大学院工学系研究科 次世代ジルコニア創出社会連携講座 特任准教授)、吉田英弘氏 (東京大学 大学院工学系研究科 次世代ジルコニア創出社会連携講座 特任教授)、幾原雄一氏(東京大学 大学院工学系研究科 次世代ジルコニア創出社会連携講座 特任教授)、掲載学術雑誌は、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences」(2023 vol・120 No.・27 e2304498120)となる。