ICT事業を継承 三井化学の子会社に

2023年07月03日

ゴムタイムス社

 三井化学は6月29日、同社100%子会社である三井化学東セロのプロテクトフィルム事業および産業用フィルム・シート事業(ICT事業)を分割し、新たに設立する100%子会社に承継させると発表した。
 パッケージソリューション事業(PS事業)については、同承継の対象外となる。
 一方、PS事業については三井化学東セロが存続会社となり、レンゴーとトクヤマの合弁会社であるサン・トックスを吸収合併により経営統合し、PS事業統合会社を設立する。
 また、同社から三井化学東セロの一部株式をレンゴーに譲渡して持分調整を行うことで、三井化学東セロはレンゴーの子会社(同社の持分法関連会社)となる。同社は株主として引き続きPS事業統合会社の経営に参画する。
 同社は、長期経営計画「VISION 2030」に基づき、ユニークなICTソリューション事業を創造・拡大し、基本戦略である事業ポートフォリオ変革における第3の柱へ成長させることを目指している。
 ICTソリューション事業戦略においては、「半導体・実装ソリューション」、「イメージングソリューション」、「電池材料ソリューション」、「コンバーティングソリューション」の4つの事業領域を設定してそれぞれ強化を図っている。その中でも「半導体・実装ソリューション」では、半導体技術ロードマップに事業戦略を整合させ、グループ総力で新事業・新製品を創出することを目指している。
 そこで中長期的な拡大と継続的な技術革新が見込まれる半導体関連市場において、同社グループとしてのシナジーをこれまで以上に追求していくとともに迅速な意思決定を実現するため、三井化学東セロのICT事業を分割して運営していくこととした。
 一方、三井化学東セロの主力事業であるPS事業については、プラスチック包装材業界を取り巻く環境が急速に変化する中、三井化学東セロが今後の事業環境に柔軟に対応し、持続的な成長戦略を実現するため、同社は、海外を含む軟包装事業に積極的に取り組んで強固な事業基盤を確立してきたレンゴーとPS事業における協業を模索し、トクヤマを含めて議論してきた。
 その結果、三井化学東セロの高収益化、環境対応型製品の開発加速、海外での事業拡大を推進する観点から、三井化学東セロのPS事業とレンゴー子会社のサン・トックスを経営統合し、運営していくことが最善との結論に至った。
 同件におけるスキームは、同社は新たに100%子会社(承継会社)を設立し、三井化学東セロのICT事業を吸収分割する、三井化学東セロは存続会社として、レンゴー子会社のサン・トックスを吸収合併し、PS事業統合会社となる、同社が所有する三井化学東セロ株式の一部をレンゴーに譲渡することで持分調整を行う。(株式譲渡価額、108.・5億円(予定))、PS事業統合会社は、レンゴー出資比率51%の子会社となり、かつ同社の出資比率34%以上の持分法関連会社となる。
 同社は引き続きPS事業統合会社の運営に参画する予定。
 新会社は、ICT事業新会社、新商号は、三井化学ICTマテリア株式会社、事業内容は、半導体・電材・光学分野に使用するプロテクトフィルム、電子部品製造工程用フィルムなどの産業用フィルム・シート、及び太陽電池用封止シートの製造・販売、本社所在地は、東京都中央区八重洲、営業拠点は、東京(中央区八重洲)、台灣東喜璐機能膜股份有限公司(台湾)、MC TOHCELLO {MALAYSIA} SDN. BHD.(マレーシア)、製造拠点は、茨城工場(茨城県古河市)、名古屋工場(愛知県名古屋市)、台灣東喜璐機能膜股份有限公司(台湾)、MCTI SCIENTEX SOLAR SDN. BHD.(マレーシア)、従業員人数は、約350名、吸収分割日は、2024年4月1日(予定)となる。
 PS事業統合会社の新商号は、アールエム東セロ株式会社(英語名、RM TOHCELLO CO., LTD.)、事業内容は、食品・飲料・日用品・梱包資材等に使用する包装用フィルム、発泡シートの製造・販売、本社所在地は、東京都千代田区神田、営業拠点は、東京(千代田区神田、台東区上野)、名古屋(愛知県名古屋市)、大阪(大阪府大阪市)、四国(香川県高松市)、福岡(福岡県福岡市)、札幌(北海道札幌市)、SIAM TOHCELLO CO., LTD.(タイ)、製造・その他の拠点は、茨城工場(茨城県古河市)、関東工場(茨城県潮来市)、浜松工場(静岡県浜松市)、安城工場(愛知県安城市)、勝田工場(茨城県ひたちなか市)、徳山工場(山口県周南市)、四国トーセロ株式会社(徳島県徳島市)、トーセロスリッター(栃木県下都賀郡野木町)、トーセロ・ロジスティクス(栃木県下都賀郡野木町)、SIAM TOHCELLO CO., LTD.(タイ)、従業員数は、約1230名、吸収合併日は、2024年4月1日(予定)となる。
 今後の見通しとしては、同件による同社グループの業績への影響は軽微と考えているが、開示すべき事象が発生した場合は速やかに公表する。

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