㈱ブリヂストンは、1月11日開催の取締役会において、本年3月に開催予定の定時株主総会及びその直後に開催される取締役会を経て、荒川詔四代表取締役社長 を取締役会長に、津谷正明代表取締役専務執行役員 を代表取締役CEOに、また西海和久代表取締役専務執行役員を代表取締役COOに選任する人事を決定したと発表した。
新たな経営体制でガバナンスを強化
ブリヂストンは11日開催の取締役会において、3月に開催予定の定時株主総会及びその直後に開催される取締役会を経て、荒川詔四代表取締役社長(67)を取締役会長に、津谷正明代表取締役専務執行役員(59) を代表取締役CEOに、また西海和久代表取締役専務執行役員(61)を代表取締役COOに選任する人事を決定したと発表した。新体制では津谷CEOが経営戦略や経営全般を担い、西海COOが日々の事業オペレーション全般を担当。同社のトップ交代は6年ぶり、会長職復活は21年ぶり。同社は新三役体制でさらにスピードを強化、経営改革を推進し、タイヤメーカー、ゴム会社として名実ともに世界一の地位の確立を推進し、その早期実現を目指す。
同日の記者会見で荒川社長は新人事体制について、「2006年3月から6年間、経営の最終目標で、タイヤメーカー、ゴム会社として、名実ともに世界一の地位の確立を目指すこととし、①常に上を目指し、全ての製品、サービスで世界最高を目指す②長期戦略を明確化し、事業領域の統合、拡大を推進する③SBU(戦略的事業ユニット)で真のグローバル化を目指す④中期計画を確認、全体最適のグループ経営を目指すー4つの経営基本方針を掲げた。創業以来の当社の経営理念にのっとり、この6年間、経営改革を断行してきた。今回の新しい経営体制は、リファインした企業理念に従い、また現在進めている経営改革を踏襲し、さらにはガバナンス体制の継続強化に対する我々の固い決意を反映するものである」と述べた。
さらに「この新体制はより強靭にガバナンス体制を支えることを目的としており、さらには経営トップ、3人それぞれの責任、役割の明確化から3人が一つのチームとして、グローバル経営に効率的に対応し、厳しさをます経営環境に対し、より迅速に対応し、さらなる改革をスピード感を持って、推進することが可能になる」と語り、「6年間、代表取締役社長兼CEOとして、真のグローバル企業を目指し、経営改革を強力に進めてきた。今後は新3役体制でさらにスピードを上げて、経営改革を推進していく」と語った。
今回の3役体制では、従来の執行面での社長機能を2つに分け、経営全般と経営戦略を新CEOの津谷専務執行役員が担当し、一方運営を担う日々のオペレーション全般を新COOの西海専務執行役員が担当することになる。また会長になる荒川社長は、取締役会長として取締役会と執行部をつなぐ役割を担い、取締役会による効果的ガバナンス機能と監視機能を活用する。またCEOとCOOに戦略的に助言、ステークホルダーの対外コミュニケーションも行う。さらにCEOとCOOの海外活動も支援する。会見では3月以降に代表取締役CEOとなる津谷正明氏が所信表明として、「企業理念に従い、またこれまでの経営改革を踏襲。さらにガバナンス体制を強化していく。この3人の経営トップが一体となり、スピード感を持って改革を推進し、国内の事業基盤を盤石なものし、その上でグローバル事業の展開も推進していく」と抱負を語った。
また代表取締役COOとなる西海和久氏は「全SBUの全ての仲間と連携し、情報の共有化と意思決定プロセスの透明化を図るとともに、企業理念にのっとり、これまでの経営改革路線を踏襲、日本国内のタイヤ、化工品、リサイクル、スポーツなどの各事業の開発、生産体制、および販売網をさらに盤石なものにする。そして、国内基盤、国内事業を強固にし、その上でグループでグローバルな事業展開を推進する」と述べた。
今回の起用理由として、荒川社長は「この2人は私がCEOに就任して以来、6年間、経営改革を推進してきた仲間であり、その能力を高く評価しており、厚く信頼できる人物である。国内外の豊富な事業経験がある」と語った。
〈津谷正明氏〉
東京都出身。一橋大経卒、76年(昭和51)ブリヂストン入社。07年執行役員CCO・グループCEO室長。09年取締役常務執行役員、CRO・CHRO・管理管掌。
〈西海和久氏〉
山形県出身。山形大学大学院工学研究科高分子化学専攻修了、75年(昭和50)ブリヂストン入社。08年取締役常務執行役員生産技術管掌。12年1月代表取締役専務執行役員、日本タイヤ事業管掌。