DICは7月6日、四日市市と脱炭素社会の実現及び継続的な産業振興の両立に向けた取り組みの促進を目的に包括連携協定を7月5日に締結したと発表した。
同協定は、脱炭素社会の実現、資源循環、環境教育、産業振興、地域経済に関して、相互の情報・意見交換に努めるとともに、共同で実施することが有効な事項について連携して取り組むことを定めたもの。
四日市市は、「四日市市ゼロカーボンシティ宣言」の中で、2050年までに二酸化炭素の排出量の実質ゼロを目指し、ゼロカーボン実現に向けた活動や、再生可能エネルギーの普及促進についての取り組みなど、環境に配慮したまちづくりを推進している。
同社の四日市工場は、1974年に四日市臨海第3コンビナートに設立し、主に食品容器などに用いるポリスチレンの生産工場として稼働している。
同社は長期経営計画「DIC Vision 2030」の中で、「地球環境と社会のサステナビリティ実現に貢献」することを目指す姿に定め、カーボンニュートラル社会の実現を目指している。
「2050年度カーボンネットゼロ(DIC NET ZERO 2050)へ向け、2030年度にCO2排出量を2013年度比で50%削減する」という目標を定めている。
このたび、両者が目指す方向性および双方の取り組みにお互いが賛同し、同協定を締結する運びとなった。同協定では具体的に、四日市市の公共施設にポリスチレンの食品容器の回収箱などを設置し、回収物の種類、量、品質の調査などの共同実証試験を行い、今後のリサイクルの可能性を探る。
将来的には、市内で回収した食品容器を同社ならではの多様なリサイクル技術を用いて原料プラスチックに再生し、食品容器の資源循環を目指す。
また、環境教育の取り組みとして、子どもたちの環境に対する豊かな感受性や探求心を育むことを目的に、四日市市内の小学校などで脱炭素化やリサイクルの理解を深める学習会や同社四日市工場の見学会などを連携して実施予定となる。
同社グループは、同協定締結を機に四日市市と緊密に連携し、脱炭素社会の実現および継続的な産業振興の両立に向けた取り組みを協働することでカーボンニュートラル社会の実現を目指す。
同社は日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、同社グループの中核企業となる。
同社グループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む190以上の子会社によって構成し、60を超える国と地域で事業を展開している。
グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料、テレビやPC等のディスプレイに代表する表示材料、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用する高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されている。
これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供している。
同社グループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいる。連結売上高1兆円を超え、世界全体で2万2000名以上の従業員を有するなか、グローバルで様々なユーザーに寄り添っていく。
2023年07月07日