㈱アシックス(本社神戸市、尾山基代表取締役社長)は11日、東京大田区の東京流通センターで、秋冬シーズンの事業展開について発表した。
「アスレチックスポーツ」「スポーツライフスタイル」「健康快適」の3事業で、多様化する消費者のニーズに応える商品構成を確立し、商品の独自性を明確に打ち出したマーケティング、プロモーション活動を行い、事業拡大を図るという。会見で取締役執行役員アシックスジャパン営業本部本部長の松尾和人氏が国内の営業戦略について、「15年末に国内連結で1千億以上の売り上げを目指す」と述べた。そのためには、「ランニングで国内ナンバー1を獲得する」ことが必要であり、今回発売される「ASICS33」を積極的に展開していく。
また、百貨店のSISを含めた自主管理売り場で積極的なマーケティング活動を展開し、ウォーキングシューズの拡大を図る。TVCMにも投資していきたいとしている。アスレチックカテゴリーでは高機能商品を軸として展開し、特にエリア販促に注力。また、大きな伸びを示しているワーキングビジネスを成長軌道に乗せていくとしている。
流通チャンネルにおいては、エリアの専門展や百貨店、フランチャイズなどの得意先との関係を再構築し、エリア販促を強化していく方針。
マーケティングについては、「即効的な販促効果が期待できるカテゴリーのTVCMを積極的に展開する」(土方政雄執行役員アシックスジャパン営業本部副本部長)としている。
主な方針は以下の通り。
ランニング市場
多様化するパーソナルニーズに対応するため、オレンジをシーズンキーカラーに採用し、デザインポイントにオレンジを使った商品を多く取り揃えるなど商品の訴求力を強化する。また、ランニングシューズ、アパレル、アクセサリーとの連動性を強化する。
トレーニングアパレル
トレーニングウエア「A77」は春夏向け商品の展示会受注が好評だったことから、コンセプトやデザインイメージを継続させ、ウインドブレーカーやカットソーなど11品番を新たに用意し、主力商品としてさらなる認知向上を図る。また、店頭では「ASICS33」や「インナーマッスル」とあわせて提案していく。
フィットネスウオーキング
商品ラインを強化し、「BCWALKERSHAPE」で、女性向けに着用シーンの広がりを意識したカジュアルタイプや人工皮革仕様の男性向けなど、着用シーンの拡大に対応したアイテムの提案を行う。また、新聞や雑誌でプロモーションを積極的にを展開する。
環境配慮型商品の展開
アメリカの著名研究機関との取組みで、現在の原材料調達から製造、輸送、使用、廃棄に至るまでのCO2排出量は、1足あたり約14㌔程度になることがわかった。秋冬モデルではリサイクルポリエステル材料の積極的な使用、製造工程の改善などで、機能はそのままで、CO2排出量を約20%削減することが可能になり、今回商品展開することができた。今後もアシックスの企業姿勢として、環境配慮型商品を展開していくとしている。