東レは7月12日、韓国の100%子会社である東レ尖端素材の群山工場で生産するPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂「トレリナTM」について、持続可能な製品の国際的な認証制度の一つであるISCC PLUS認証を取得したと発表した。
ISCC PLUS認証は、マスバランス方式で製造されたバイオマス原料、リサイクル原料の製品をサプライチェーン上で管理・担保する認証制度。
今回の認証取得により、TAKは、植物由来のバイオナフサや廃プラスチックの熱分解油から製造された原料をマスバランス方式で割り当てて使用し、既存の石化原料を使用したPPS樹脂と同等の特性、物性を有するPPS樹脂を生産、供給することが可能となった。量産開始に向け、準備を進めていく。
同社グループは、ポリマー・コンパウンドから繊維、フィルムまで手掛けるPPSメーカーで、TAKと愛知県東海市の同社東海工場とをあわせて世界最大のPPS重合能力を有している。TAKは、PPS樹脂の主原料からポリマー重合、コンパウンドまで行うPPS樹脂の一貫生産拠点であり、同社で生産したPPS樹脂は、中国、欧米、ASEAN等、同社グループの各コンパウンド拠点へ供給している。
また東海工場においても既にマスバランス方式での本認証の取得を進めている。今後、各国コンパウンド拠点における供給体制を整備し、環境配慮型PPS樹脂のグローバルな供給体制を構築することで、顧客におけるバイオマス原料、リサイクル原料の使用やCFP(カーボンフットプリント)低減のニーズに応えていく。
同社は、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」において、「資源が持続可能な形で管理される世界」を、2050年に目指す世界のひとつとしている。今後も、顧客の環境配慮型樹脂のニーズに応えていくことで、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の具現化に取り組んでいく。
Toray Advanced Materials Korea Inc.(TAK)の事業内容は、PETフィルム、ポリエステル繊維、不織布、フィルム加工品、回路材料、水処理膜モジュール、炭素繊維・プリプレグ、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂の製造・販売、本社所在地は、大韓民国ソウル特別市、設立は、1999年12月、代表者は、代表理事社長(CEO&COO)、全海尚氏となる。
2023年07月13日