凸版印刷、ULマーク取得 LIB用改良の消火フィルム

2023年07月14日

ゴムタイムス社

 凸版印刷は7月13日、リチウムイオン二次電池用に改良した消火フィルム「FSfilm」(Fire Propagation Suppressing Film)を開発し、同製品が、米国の第三者安全化学機関であるUL社から消火フィルムの分野で世界初となるUL検証マークの認証を受けたことを発表した。同社は、本製品を電池メーカーや電機メーカーなどに拡販し、2025年度までに関連事業含めて約50億円の売上を目指す。また今後、本製品を開発した技術をもとに防災に寄与する製品開発を行い、サステナブルな未来社会の実現に貢献する。
 今回認証を受けた消火フィルム「FSfilm」は、リチウムイオン二次電池用に、同社が持つ塗工技術と「GL BARRIER」の高いバリア性能を活用し、耐久力を高めた製品。本フィルムはシールタイプとなっており、配電盤の配線ショートにより発火した時の初期消火はもちろんのこと、リチウムイオン二次電池のケース内に貼ることで、電池内の不具合による発火や延焼・類焼の抑制に、高い効果が期待される。
 モバイル機器やモビリティなど蓄電池の用途が広がるなか、リチウムイオン二次電池の使用はますます拡大し、さらに高出力化が進んでいる。しかしながら、その普及にともない、使用中のみならず廃棄時も含め、発火事故のリスクが高まっている。
 同社は、2021年より火災発生時の熱に反応して、消火効果のあるエアゾルを放出する消火フィルムを販売していおり、2022年に新しく制定されたリチウムイオン二次電池の類焼抑制規格(JSA-S1011:2022)にのっとり、製品性能の評価を行った。
 同試験は規格(JSA-S1011:2022)「リチウム二次電池システムに用いる類焼抑制フィルムの性能評価試験方法」に準じた性能評価であり、その試験結果では消火フィルムの設置が無い状態では、リチウムイオン二次電池の発火時に隣接するリチウムイオン二次電池の類焼が40%発生するのに対し、消火フィルムを設置した試験条件のリチウムイオン二次電池は、類焼を0%に抑制できる効果が確認された。同評価方法及び結果がUL社で認められ、「UL検証マーク」を取得することとなった。
 

エフエス・フィルムのイメージ

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