三井化学は7月13日、熊本県荒尾市が実施する炭鉱電車保存整備事業に企業版ふるさと納税制度を活用して、2500万円を寄附したことを発表した。本整備事業は、2020年5月に廃止となった同社専用線(旧三池炭鉱専用鉄道)で使用されていた炭鉱電車を、世界文化遺産である万田坑(熊本県荒尾市)へと移設し、保存展示するための整備を行うもの。今般、7月8日に「万田坑炭鉱電車一般公開記念式典」が開催され、同市より感謝状を授与された。
熊本県荒尾市には、三池炭鉱の抗口の一つとして明治から昭和初期にかけて日本の近代化を支えた万田坑がある。万田坑は「明治日本の産業革命遺産」の構成資産の一つとして2015年に世界文化遺産へ登録され、現在も施設や機械などが当時のまま大切に保存されている。
同社は2020年5月の同社専用線の廃線にあたり、「ありがとう炭鉱電車プロジェクト」を開始し、これまでに炭鉱電車特有の音源の保存や映像化、ラストランイベントなどを行ってきた。
また2021年には大牟田工場にて使用していた炭鉱電車2両を荒尾市へ譲渡しており、今回の炭鉱電車保存整備事業のもと、世界文化遺産・万田坑にて保存展示されることとなった。
今回、本整備事業を通して、炭鉱電車を未来に向けたレガシーとして活用いただくと共に、100年以上の長きにわたり活躍を続けてくれた炭鉱電車と関係者、応援して頂いた鉄道ファン、そして地域の方々への感謝の思いを伝えることができると考え、企業版ふるさと納税制度を活用した寄附を行うこととなった。
2023年07月14日