東レ、米韓子会社が増強 レギュラートウ炭素繊維

2023年07月14日

ゴムタイムス社

 東レは7月13日、米国の子会社 Toray Composite Materials America(CMA)および 、韓国の子会社TAKにおいて、レギュラートウ炭素繊維の生産設備増強を決定したと発表した。
 今回の設備増強では、CMAのサウスカロライナ州にあるスパルタンバーグ工場とTAKの慶尚北道グミ市にある亀尾工場の生産能力を増強し、同社グループ全体で現行の年産2 万9000tから3万5000tに増強する計画となる。2025年からの生産開始を予定している。
 レギュラートウ炭素繊維の需要は、カーボンニュートラルのメガトレンドを背景に、2030年にかけて年率17%で成長すると予想される。
 特に、圧縮天然ガス(CNG)タンクや水素タンクなどの圧力容器用途は、宅配業務用CNG車両およびガス輸送タンクの需要が堅調に増加していることに加え、燃料電池を使用する乗用車、物流トラック、鉄道、船舶などへの採用が拡大しており、同用途向けのレギュラートウ炭素繊維の需要は今後急速に拡大する見込みとなる。
 今回の生産設備増強は、圧力容器用途の需要が拡大している米国および韓国において安定的な供給体制の確立を図り、拡大する産業用途のレギュラートウ炭素繊維の需要拡大に対応するためのもの。
 さらに航空用途等のレギュラトートウ炭素繊維の安定供給も可能となる。
同社は中期経営課題「プロジェクトAP-G2025」の基本戦略の一つとして「持続的な成長の実現」を推進しており、炭素繊維複合材料事業の産業用途はその戦略に則った気候変動対策の加速に貢献する製品と位置付けている。
 企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、総合力を駆使して課題解決に最適な素材をグローバルに提案・提供し続け、2050年のカーボンニュートラル社会実現に貢献していく。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー