GSIクレオスは7月18日、カナダ・ケベック州のディープテック・スタートアップ企業、ブリリアント・マターズ(BM社)に、BM社が取り組む高分子事業および有機薄膜太陽電池(OPV)事業の拡大を目的として6月21日付で追加投資を行ったことを発表した。この増資によりBM社の高分子合成設備を拡充し、OPV向け半導体高分子材料製造のスケールアップを図ることで、次世代再生可能エネルギーOPVの大規模な社会実装の一翼を担い、地球環境負荷低減に貢献していく。同社とBM社は、急速に成長する世界有機太陽電池市場をターゲットにOPV向け半導体高分子材料の供給を進める。
BM社は独自の高分子合成技術を有しており、次世代太陽電池OPVをはじめとする有機エレクトロクニクス(OEL)分野向けに、最適な最先端の導体、半導体高分子の研究・開発、製造を行ってる。この独自の高分子合成技術は安全な高分子合成法として高く評価されており、BM社製高分子材料は環境負荷が極めて少ないため、OPVメーカー各社において発電を司る活性層に採用されている。OPVは、鉛化合物を用いるペロブスカイト型太陽電池(PSC)と異なり、使用する原料から製造法まであらゆる工程で毒性がなく、環境負荷も極めて少ない有機太陽電池。OPVは軽量のフィルム状で透明かつ曲がるという特徴を持つため汎用性が高く、有力な次世代再生可能エネルギーとして期待されており、欧米を中心にOPVモジュールの社会実装が進められている。
同社は本事業の有益性や将来性に着目し、2021年に他の有力投資会社や環境・エネルギー分野に特化するベンチャーキャピタルらと共にBM社に資本参加し、経営参画した。OPVメーカー各社が本年度より世界市場でのOPV敷設の実施を目指す中で、かねてより要請されていた高分子材料の供給量拡大に対応するため、この度同社は他の出資者と共にBM社に追加資金を投入し、BM社の生産設備の拡充を図ることとした。
今後は、BM社との協力関係を一層深化させ、国内外のOPV顧客への供給量を確保することで世界の需要に応えるとともに、OPVモジュールの日本、アジア市場への展開を進め、同社の最重要分野の一つとして再生可能エネルギーの普及に貢献していく。
2023年07月19日