東部ゴム商組のべルトホース部会は7月19日、ホテルモントレ銀座でべルトホース商工懇談会を開催し、第9回ベルト・ホース流通動態調査や商業界市況報告、ベルトとホースの各工業会から生産・出荷状況の報告などが行われた。懇談会には同部会の会員企業、ホース、ベルトメーカー計13社の代表や関連工業会の代表ら47人が参加した。
初めに、主催者を代表して同組合の塩谷信雄理事長(バン工業用品)が「ベルトホース商工懇談会は4年ぶりの開催となるが、商業者を取り巻く環境は昨年から続いて一つ目はコロナ、2つ目は円安原油高に伴う値上げ、3つ目は半導体不足を起因としたモノ不足があり、この3つが商業者に大きな影響を与えている」と話し、「一方、コロナが5類相当に引き下げとなり商業者が動くという環境は改善されてきた。これから秋、そして来年に向けて大いに動き結果を出していきたい。そのためにはメーカーさまのご協力なくしてできない。これからも倍旧のご協力をいただき業界を盛り上げたい」と挨拶を終えた。
続いて、メーカー側を代表し、東拓工業の小池篤敏取締役営業本部長が同社中西俊博社長のメッセージを代読する形で挨拶した。小池氏は「我々メーカーは原材料費や電力費高騰に加え、労務費上昇の課題を抱えている。商業者の皆さまには製品価格の値上げでご協力をいただいているが、当社の主たる原材料であるプラスチック原料は高止まりが続いている上、電力費も21年度と比較して約2倍に膨らんでいる」との経営環境の現状を示した上で、「メーカーはモノづくりを通じお客様はもとより、社会の課題解決に取り組むことが使命と考えている。製販連携をさらに密にしてこれら課題解決に力をあわせて取り組みたい」と述べた。
この後、明石哲哉副部会長(明光産業)が今年4月に発表した第9回ベルト・ホース流通動態調査の回答結果を紹介した。 同調査はベルトホース部会員企業36社と同部会選定の組合員企業計56社を対象に45社が回答した。設問は22年の年間売上高と市場価格、重要の将来性、年間取扱高、販売上の問題点など13項目を用意した。うち22年の売上高の設問では、全12品目で「前年比95~105%」の回答が最多を占めた。23年の売上高予想の設問では全品目で「前年比95~105%」の回答が最多。一方、伝動歯付とプーリーを除き、上位2回答が下位2回答を上回る数値となり、部会員からは売上増加を期待する声が大きくなっている。
続いて山田徹部会長(ハシモト)が同組合が実施した23年7月度景況観測調査をもとに、ベルトホース部会の売上高、販売価格、仕入価格などの実績と予想を紹介した。同部会の売上高の推移をみると、好転と回答した企業は4~6月(実績)は14社、7~9月(予測)は11社、10~12社(予測)は9社。「売上は好転しているが、今後落ち着くのではないか」(山田部会長)とみている。販売価格の推移は、上昇と回答した企業は4~6月(同)は16社、7~9月(同)は15社、10~12月(同)は10社。販売価格はまだ上昇が続くが、10~12月以降若干落ち着くと予測した。
次に、日本ベルト工業会の横山直弘常務理事、日本ゴムホース工業会の赤塚六弘常務理事、日本ホース金具工業会の石附髙常務理事、日本ビニルホース工業会の舘林研一会長(プラス・テク)がそれぞれ生産・出荷状況、東拓工業の小池取締役営業本部長が樹脂ホース・ダクトホースの市況を報告した。
懇談会終了後に行われた懇親会で前田淳副理事長(東京ベルト)は「これまでコロナ禍でできなかったことが、ここにきてようやく動けるようになっている。商工一体で新しいことを創る機会になるよう懇親を深めてほしい」と乾杯の挨拶を行い、懇親会がスタート。その後山田部会長による中締めが行われ散会した。
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