積水化学工業は7月21日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「未来ショーケース事業(グリーン万博)」に協賛し、開発中のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供することを決定したと発表した。
フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、西ゲート交通ターミナルのバスシェルターに設置し、当該箇所の夜間LED照明用の電力として活用する予定となる。
同社グループは、長期ビジョン「Vision 2030」において、「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントに掲げ、イノベーションを起こし続けることにより「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、未来につづく安心を創造していく」ことを宣言している。
同社は、今回の大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」や、「People‘s LivingLab(未来社会の実験場)」というコンセプトに共感している。
「企業・団体が持つ先端技術やシステムを用いて、会場内での実証や実装を行う」という「未来社会ショーケース事業」は、同社が開発中で2025年度の上市を目指すフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実証・実装し、カーボンニュートラルへの貢献を提案するために重要な場であると考えた。
なお、大阪・関西万博においては、他のパビリオン出展者などに対するフィルム型ペロブスカイト太陽電池の提供についても検討・協議を進めている。
新たな電力創造の形を提案し、社会実装に向けた取り組みを通じて、サステナブルな社会の実現に貢献していく。
同社は、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」により、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築した。
さらに、同製造プロセスによる発電効率 15・0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
現在は、実用化に向けて、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上を目指し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金も活用して開発を加速させている。また、早期の社会実装へ向け、西日本旅客鉄道や東京都、エヌ・ティ・ティ・データ、JERAなど、さまざまな関係先と連携して開発を進めており、202 5年の事業化を目指している。
2023年07月24日