パテント・リザルトは7月21日、「ゴム製品業界」の特許を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゴム製品業界他社牽制力ランキング2022」を発表した。
この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。
集計の結果、2022年に最も引用された企業はブリヂストン、次いで住友ゴム工業、横浜ゴムとなった。
1位のブリヂストンの最も引用された特許は「作業性及び環境衛生上にも優れ、従来より更に高弾性かつ低発熱性を持つタイヤ」に関する技術で、大塚製薬の計6件の審査過程で引用されている。このほかには「重荷重用空気入りタイヤ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、TOYO TIREの計5件の拒絶理由として引用されている。
2022年に、ブリヂストンの特許による影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(154件)で、次いで横浜ゴム(84件)、TOYO TIRE(79件)となっている。
2位の住友ゴム工業の最も引用された特許は「ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能、及び耐久性をバランス良く改善できる空気入りタイヤ」に関する技術で、ブリヂストンや日本ゼオンなどの計6件の審査過程で引用されている。このほかには「ビード部の耐久性を向上できる空気入りタイヤ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、TOYO TIREの計5件の拒絶理由として引用されている。
2022年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は横浜ゴム(99件)で、次いでTOYO TIRE(88件)、ブリヂストン(85件)となっている。
3位の横浜ゴムの最も引用された特許は「軽量化と極低周波域のロードノイズの問題を両立するようにした空気入りタイヤ」に関する技術で、住友ゴム工業の「重荷重用タイヤ」関連特許など計5件の審査過程において拒絶理由として引用されている。
2022年に、横浜ゴムの特許により影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(137件)で、次いでブリヂストン(91件)、TOYO TIRE(83件)となっている。
4位のTOYO TIREは「外観性を向上した空気入りタイヤ」、5位の住友理工は「防音部材」が、最も引用された特許として挙げられる。
2023年07月24日