日立造船は7月24日、100%子会社で、ごみ焼却発電や再生可能ガスプラントの設計、建設、保守・運営などを手がけるHitachi Zosen Inova AG(HZI)が、スイス アールガウ州Nesselnbachにあるバイオガスプラントに、二酸化炭素(CO2)液化施設を完成させたと発表した。
バイオガス由来の二酸化炭素の産業利用を通じた脱炭素化促進への貢献が期待されている。
今回完成した施設は、Recycling Energie AG社のバイオガスプラントで製造したバイオガスをRegionalwerke AG Baden社が精製する過程で分離する二酸化炭素を再利用するためのものとなる。
これまでは分離した二酸化炭素は大気中に放出していたが、今回完成した施設により、マイナス 24℃まで冷却し、液化することで貯蔵や輸送が容易となって再利用が可能になり、この施設では年間最大3000tの二酸化炭素がリサイクルされる。
液化二酸化炭素は製薬や医療、食品などでの産業用途があるが、化石燃料由来ではなく、このようなバイオガス由来の液化二酸化炭素を利用することで、脱炭素化を促進する。
バイオガスは、有機性廃棄物(生ごみ、植物、家畜糞尿など)を嫌気性条件下で発酵させることで発生するメタン(CH4)を回収・利用する再生可能エネルギーの一つ。発電に利用するほか、ガス中に含まれる二酸化炭素などを分離して純度を高めることにより、バス燃料や都市ガスの一部に利用している。
HZIでも欧米を中心に数多くの建設実績を有している。
同社グループでは、クリーンエネルギーに対する知見や技術の提供を通じて、地球環境に貢献していくことを目指す。
同件の発注者は、CO2 Energie AG(スイス)、(Regionalwerke AG BadenとRecycling Energie AGが設立した運営会社)建設地は、スイス アールガウ州 Nesselnbach、引き渡しは、2023年7月末となる。
2023年07月25日