住友理工は7月26日、同社開発の薄膜高断熱材「ファインシュライト」がSTATICBLOOMのストーブマットSAG STOVE MATに採用されたと発表した。
ファインシュライトは高断熱フィラー(微細に粉砕したシリカエアロゲル)を同社独自の配合技術で塗料化した薄膜高断熱材。ファインシュライトを不織布にコーティングし、その上にアルミ蒸着フィルムを貼りつけたシートをSTATICBLOOM社製のマットに内蔵した。
ストーブマットは、登山やキャンプのシーンで使用する、調理用ストーブの下に敷く製品となる。ストーブの下地を保護しながら、同時に保温、断熱機能も発揮する。
同社は、ファインシュライトの用途拡大を目指して、アウトドア製品を手掛けるSTATICBLOOMと2021年12月より開発を開始した。
同製品は、「SAG STOVE MAT」の商品名で、23年4月よりSTATICBLOOM製品の取り扱い店舗、オンラインストアで販売している。
アウトドア用品は、移動時の可搬性(持ち運びやすさ)が重視される。
可搬性において、SAG STOVE MATは形状変更の自由度を生かし、収納スペースに合わせてコンパクトに折りたたむことが可能となる。マグクッカーなどの容器に収納することもできるため、効率的にバックパックに荷物を収納することができる。
またグローバルで地球環境保全への取り組みや意識が高まる中、登山者やキャンパーといった自然環境の中で活動する人々の、環境保全に対する意識はますます高まっている。
従来のストーブマットは、熱伝導率が低い軽量フェルトの採用が一般的だった。しかし、利用時や持ち運びの際に、フェルトの繊維が抜け、分解されない繊維が自然界に残留することが課題だった。
ファインシュライトは繊維が抜けにくい特長がある。
STATICBLOOMと同社は、STATICBLOOMの製品開発力と同社の素材力を掛け合わせ、環境負荷軽減の一助となる製品を開発した。
同社グループは引き続き、ファインシュライトの新たな製品用途拡大を目指し、共同開発に向けたパートナーの探索を継続している。
さらにファインシュライトを活用した熱マネジメント分野での技術・製品開発を通じて、人々の暮らしにおける快適性の向上、自然環境に配慮した持続可能な社会実現に向けた活動に注力していく。
製品の構造は、シート表面は防炎加工ナイロンを使用、内側にファインシュライトを使用、サイズは、SOLOサイズ(153mm×153mm)、A4サイズ(297mm×213mm)、SOLOサイズの特長は、四つ折りしてマグクッカーなどにコンパクトに収納可能という点A4サイズの特長は、高温状態のクッカーも置くことができ、二つ折りも可能という点となる。
購入方法は、STATICBLOOMWEBサイトでの購入となる。
STATICBLOOMの代表者は、代表取締役田中友香氏、所在地は、本社、東京都あきる野市戸倉551、事業内容は、自社製品アウトドアウエア、コスメ関連企画販売、アウトドアアイテム ディストリビュート、アウトドア関連の映画上映および企画運営となる。
ファインシュライトは、航空宇宙産業でも使用する高断熱フィラー「シリカエアロゲル」を応用した製品。シリカエアロゲルは非常に高い断熱性能を有する一方、極めて低比重で疎水性が高いため、塗料化が難しいとしてきた。
同社は長年培った高分子材料技術、特に高度な分散技術を駆使し、高濃度での塗料化に成功した。コロナ禍で需要が高まったフードデリバリーや新型コロナウイルスワクチンの定温保管・輸送に貢献する製品や、脱炭素に向けた工場設備にも採用している。
2023年07月27日