出光興産は7月26日、日本コンクリート工業と同社が共同で実施する「コンクリートスラッジを利用した合成炭酸カルシウム製造によるCO2固定化実証試験」が、滋賀県の「令和5年度滋賀県近未来技術等社会実装推進事業補助金事業」(補助金事業)に採択されたことを発表した。両社は合成炭酸カルシウム(合成炭カル)製造・販売の事業化を進め、合成炭カルを道路舗装材等に活用することで、CO2再資源化技術の社会実装を推進する。
日コンと同社は、コンクリート廃棄物(スラッジ)を利用したCO2再資源化技術により生成される合成炭カルの製造・販売事業に関して、今年6月に両社で協力を進めることに基本合意した。
本取り組みの第一弾として、合成炭カル製造設備(製造能力700トン/年(パイロットプラント))の本年度中の建設と実証試験開始を目指す。パイロットプラントは、日コン100%子会社であるNC西日本パイル製造の滋賀工場内に建設する予定。
滋賀県は、近未来技術等の事業化に向けた取り組みの促進と、同県の産業および経済の発展を図ることを目的に補助金事業を実施している。両社はパイロットプラントの建設と実証試験の一部を補助金事業として応募し、今般、滋賀県より採択通知を受領した。補助金額は690万円の予定で、工期は 2024年2月28日までとなる。
設備の性能と製造した合成炭カルの品質を確認し、市場の確保ができ次第、滋賀工場設備を商業機に切り替え稼働させる予定。また、量産化に向け、日コングループの他の工場でもプラントを順次立ち上げることを構想しており、2024年度内の商業化を目指す。
2023年07月27日