住友ゴムは7月27日、同社グループのファルケンタイヤヨーロッパが、7月8日にドイツで開催された「ニュルブルクリンク耐久シリーズ」の第6戦となる6時間耐久レースにファルケンモータースポーツチームとして参戦し、「ポルシェ911 GT3R(992)」3号車が総合優勝を果たしたことを発表した。
「ニュルブルクリンク耐久シリーズ」には、「ポルシェ911 GT3R(992)」2台体制で挑みました。3号車は3番手、4号車は21番手からスタートし、徐々にペースをアップ。好天に恵まれたレース当日は路面温度が50度を超える厳しいコンディションにライバルたちが苦戦する中、高温下でも高いパフォーマンスを発揮するファルケンタイヤとチームの作戦が奏功し、スタート1時間後には3号車と4号車がそれぞれ実質1位と2位に上がり、ファルケンモータースポーツチームによるワン・ツー体制を築くことに成功。ファルケンカラーを纏った2台のポルシェはその後もマシン及びタイヤ共にトラブルフリーで後続を引き離し、最後は2台揃ってチェッカーフラッグを受けた。
残念ながら2位に入った4号車はレース後に車両規則違反により失格となった。なお、3号車の総合優勝は今年ポルシェのGT3R車両が新型に変更後、ニュルブルクリンク耐久シリーズでの初優勝となる。
ニュルブルクリンク耐久シリーズは、ドイツのニュルブルクリンクを舞台に行われる全9戦の耐久レースシリーズ。年に1度だけ開催される24時間耐久レースとは異なり、各レース4時間から12時間で行われている。各車両メーカー、そして同社含む各タイヤメーカーは、24時間レースでの勝利を目指す為のテストフィールドとしてこの耐久シリーズを活用し、多くの有力チームが参戦している。レースに使用されるコースは24時間レースとほぼ同等の一周で約25㎞。約170のコーナー数に、高低差およそ300m、コース幅は狭く、そして路面は波打ち滑りやすい、と過酷この上ないサーキット。
今回のレースに使用されたタイヤの開発にあたっては、同社の進化させたモデルベースタイヤ開発技術が力を発揮した。車両のデジタルモデルと目指す性能のタイヤのデジタルモデルを作成し、それをベースにシミュレーションを行う。その結果、試作をする前にタイヤの仕様を絞りこむことができるようになった。デジタルモデルを利用した予測・設計工程を繰り返し行うことで、試験機によるテストや実車テストの工程が削減可能となり、開発の効率化や試作タイヤの削減を実現した。
2023年07月28日