横浜ゴムは7月27日、長年の販売実績を持つ空気式防舷材に加え、港湾の係留施設に設置されるV型ソリッド防舷材を製品ラインアップに加えたと発表した。
今後も段階的にソリッド防舷材のラインアップを拡大し、防舷材の総合メーカーを目指す。
防舷材は船体と岸壁を接岸や接舷の衝撃から保護する緩衝材であり、港湾の係留施設では岸壁と船、洋上の荷役では船体の間に設置する。空気式は内包した空気弾性、ソリッド式はゴム弾性により衝撃を吸収する。
今回製品ラインアップに加えることとなったソリッド防舷材は、防舷材需要の約8割にのぼる。
同社は1958年に世界で初めて2船体洋上接舷に用いられる空気式防舷材を開発して以来、洋上の過酷な環境で使用し性能要件が高い空気式に注力してきたが、今後はこれまで培ったブランド・技術力を武器に防舷材の主要市場であるソリッド防舷材市場に参入し、さらなる収益基盤の強化を図る。
今回新たに販売するのは、港湾で幅広く用いられるベーシックモデル。販売にあたり港湾空港総合技術センター(SCOPE)の認証を取得している。
港湾の荷役施設向けでは将来的にソリッド式の中でもより高性能な受衝板付モデルの展開を計画している。
これにより、現在販売しているトップエンドモデルとなる空気式防舷材「ABF-P」と合わせて総合的な製品ポートフォリオを構築し、オンショア市場全体のシェアを拡大していく。
同社は2021年度から2023年度までの中期経営計画「YX2023」に取り組んでいる。
MB事業では強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中してMB事業の成長を牽引し、安定収益を確保できる構造を目指している。その一環として工業資材のうち防舷材などの海洋製品では高シェア維持を掲げ、製品力の強化を進めている。
2023年07月31日