環境配慮型の界面活性剤 DICが開発

2023年08月02日

ゴムタイムス社

 DICは8月1日、有機フッ素化合物「PFAS」フリーでありながら、従来の同社フッ素系界面活性剤と同等以上の性能を持つ環境配慮型の界面活性剤「MEGAFACE EFSシリーズ」を開発したと発表した。
 従来のフッ素系製品が使用されるディスプレイ、半導体、自動車、塗料などの広範な用途において、従来品の代替としての適用が見込まれる。
 今後は、日本、東アジア、欧米などグローバルに事業を展開し、電子材料、電気自動車(EV)、バッテリー分野などの広範な産業をターゲットに2030年には売上高50億円を目指す。
 フッ素系界面活性剤は、少量の添加で表面張力を下げ、乳化や界面活性を改善する特性を持ち、洗浄剤、コーティング、工業用品など様々な産業分野で広く使用してきた。しかし、昨今、その使用にあたり環境への潜在的リスクから欧米を中心にPFAS規制の議論が進行すると共に、代替品の開発が強く求められている。
 同社は世界的に高まるサステナブルニーズへの先⾏的な対応として、PFASフリーの界面活性剤の開発に着手し、同社独自の技術と環境に配慮した原料を採用した結果、従来のフッ素系界面活性剤と同等の表面活性効果を持つPFASフリー界面活性剤「MEGAFACE EFSシリーズ」を開発した。
 これまでのPFASフリーの製品は、フッ素系製品と同等の性能を持つことが困難だったが、同社の開発品はフッ素系製品と同等以上の高い表面張力低下能を有し、優れた均一塗布性(レベリング性)を実現する。
 既にフッ素系製品を使用する顧客からも高く評価されており、今後、世界で使用されているフッ素系界面活性剤の代替製品として、持続可能な産業活動の推進や環境リスクの低減への取り組みを進め、市場をリードしていく。
 同社グループは長期経営計画「DIC Vision 2030」において、ファンクショナルプロダクツ事業部門の基本戦略として、サステナブル対応製品を中核とした事業拡大を掲げている。同社は合成樹脂事業における長い歴史と豊富な知見や技術力を活かし、今後も社会課題に貢献するサステナブル製品の開発と拡販を加速する。
 同社は日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、同社グループの中核企業となる。同社グループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む約190の子会社によって構成し、60を超える国と地域で事業を展開している。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料 、テレビやPC等のディスプレイに代表する表示材料 、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用する高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されている。
 これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供している。同社グループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいる。連結売上高1兆円を超え、世界全体で2・2万人以上の従業員を有するなか、同社グループはグローバルで様々なユーザーに寄り添っていく。

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