日本ゼオン、製造ライン増設 大型TV用光学フィルム

2023年08月07日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンは8月4日、敦賀工場(福井県敦賀市)に世界最大幅の大型TV用光学フィルム製造ラインの2系列目となる設備が竣工したことを発表した。今回の増設により、既存設備と合わせたTV向け位相差フィルムの生産能力は、トータル21900万㎡へと増強した。
 同社は、光学フィルム(製品名:ゼオノアフィルム)を、氷見二上工場(富山県高岡市、同氷見市)と敦賀工場で製造している。ゼオノアフィルムは、同社が独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(シクロオレフィンポリマー)を原料に用い、世界初となる溶融押出法により生産された光学フィルム。
 シクロオレフィンポリマーの特長である高い光学特性と優れた寸法安定性を有しており、大型TVやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止等の機能を持たせる、位相差フィルム用途を中心に需要が拡大している。
 今回の投資は、液晶パネルの大型化に対応するため、世界最大幅となる2500mm幅フィルムの生産ラインであり、2020年4月より稼働した設備に続く2系列目となる。新ラインの生産能力は、1系列目と同じく年間5000万㎡となり、2系列合計で10000万㎡、他拠点含む既設能力と併せてTV向け位相差フィルムの生産能力はトータル21900万㎡となる。
 8月4日(金)に現地にて執り行われた竣工式には、福井県および敦賀市ならびに周辺自治会から来賓を招いたほか、施工関係者、また代表取締役社長豊嶋哲也氏、敦賀工場長川﨑洋輔氏ほか同社関係者を合わせ、58名が参加した。
 今後も安定・安全生産を徹底し地域の発展に寄与するとともに、市場ニーズを先取りした体制を整えることで社会の期待に応えていく。

敦賀工場全景

敦賀工場全景

敦賀工場で生産されるゼオノアフィルム

敦賀工場で生産されるゼオノアフィルム

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