東洋紡の24年3月期第1四半期決算は、売上高が970億5800万円で前年同期比3・9%減、営業損失は8500万円(前年同期は46億2100万円の利益)、経常損失は3億1700万円(同43億3100万円の利益)、四半期純損失は5億800万円(同77億9700万円の利益)となった。
セグメント別では、フィルム・機能マテリアルの売上高は390億円で同0・4%減、営業利益は12億円で同49・7%減となった。包装用フィルムは、原燃料価格高騰に対し製品価格の改定を進めたが、流通在庫の調整が長引き、荷動きは低調となった。
工業用フィルムは液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」の販売が大幅に増加したが、セラミックコンデンサ用離型フィルムはサプライチェーン全体での在庫調整が継続し苦戦した。
環境・機能材の売上高は250億円で同10・5%減、営業損失は7億円となった。樹脂ケミカル事業のエンジニアリングプラスチックは、国内で原燃料価格高騰に対する製品価格の改定が進んだ。工業用接着剤「バイロン」は、中国をはじめアジア向けの販売が減少した。
環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用するVOC回収装置の販売において、出荷のずれ込みにより販売が減少した。
高機能ファイバーでは、「ツヌーガ」は 耐切創手袋、「ザイロン」は建築補強用途の販売が減少した。不織布マテリアルは、土木・建材などでの需要減の影響を受け不調だった。
通期の連結業績予想は、売上高が4300億円で前期比7・5%増、営業利益が150億円で同49・1%増、経常利益が110億円で同66・9%増、当期純利益が110億円を見込んでいる。
2023年08月08日