クレハの24年3月期第1四半期決算は、売上収益が437億5900万円で前年同期比11・2%減、営業利益は49億3700万円で同39・4%減、税引前四半期利益は56億200万円で同34・2%減、四半期利益は32億3700万円で同40・7%減となった。
セグメント別に見ると、機能製品事業の売上収益は164億2300万円で同32・9%減、営業利益は11億9700万円で同78・8%減となった。シェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品およびPPS樹脂の売上は増加したが、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂およびその他の樹脂加工品等の売上が減少し、同分野での売上、営業利益はともに減少した。 炭素製品分野では、高温炉用断熱材の売上が増加し、同分野の売上、営業利益とも増加した。
化学製品事業の売上収益は92億1000万円で同39・0%増、営業利益は6億7100万円(前年同期3億4800万円の営業損失)となった。農薬・医薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上は減少したが、農業・園芸用殺菌剤の売上が増加した。工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上が増加し、前年同期の営業損失から営業利益となった。
樹脂製品事業の売上収益は116億7200万円で同2・0%減、営業利益は22億3200万円で同6・6%増となった。
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加したことから、この分野での売上、営業利益はともに増加した。
業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムおよび塩化ビニリデンフィルムの売上が減少し、同分野での売上げは減少したが、経費の減少等により営業利益は増加した。
24年3月期通期連結業績予想は、売上収益が1900億円で前期比0・7%減、営業利益は220億円で同1・6%減、税引前利益は220億円で同4・3%減、当期利益は155億円で同8・1%減を見込んでいる。
2023年08月09日