高機能プラ事業は減収減益 住友ベークライトの4~6月期

2023年08月17日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの24年3月期第1四半期決算は、売上収益が702億5400万円で前期比2・1%減、事業利益は65億6200万円で同4・3%減、営業利益は64億9900万円で同3・5%減、四半期純利益は57億1200万円で同21・3%増となった。
 セグメント別では、半導体関連材料の売上収益が201億5900万円で同5・1%減、事業利益は41億8100万円で同7・9%減。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、自動車販売台数の回復およびEV化の加速により、モビリティ用途は堅調に推移したが、パソコン、スマートフォンなど民生向けの需要回復が遅れており、顧客での在庫調整が長期化していることから販売数量・売上収益が減少した。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が堅調に推移しており、売上収益は前年同期並みで推移した。半導体用ダイボンディングペーストは、民生用途の需要回復遅れ、顧客での在庫調整により、売上収益は前年同期を下回った。半導体パッケージ基板材料「LαZ」シリーズは、スマートフォン向け販売が回復途上にあるが、前年同期の水準には届かなかった。
 高機能プラスチックの売上収益が242億5200万円で同6・3%減、事業利益は10億5200万円で同6・6%減。工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、自動車販売台数の回復を背景に自動車部品用途は堅調に推移したが、北米での自動車タイヤ用途、欧州での建築断熱材用途、およびアジア地区におけるパソコン、スマートフォンなどの民生用電気製品向けの部品用材料で販売数量が伸び悩み、売上収益は前年同期比で減少した。銅張積層板は、エアコン用、車載用を中心に需要が低調で売上収益は減少した。航空機内装部品は、旅客輸送の増加にともない航空機産業の経営環境が改善していることに加え、欧州における販売拠点拡充が奏功し売上収益は増加した。
 クオリティオブライフ関連製品の売上収益が256億6900万円で同5・1%増、事業利益が22億5600万円で同10・5%増。医療機器製品は、国内病院向けの販売は前年同期並みであったが、血液浄化関連製品が国内法人向けに加え、輸出も好調なことから、売上収益は大幅に増加した。バイオ関連製品は、国内企業向けの在庫調整の影響等で売上収益は減少した。
 24年3月期の連結業績予想は、売上収益が2950億円で前期比3・5%増、事業利益は285億円で同12・0%増、当期純利益は215億円で同6・0%増を見込んでいる。

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