アルマ望遠鏡のレンズ素材に採用 三井化学子会社製のニューライト

2023年08月25日

ゴムタイムス社

 三井化学は8月24日、同社の子会社である作新工業の主力製品である超高分子量ポリエチレン成形品ニューライトが 自然科学研究機構 国立天文台が参画する国際プロジェクトであるアルマ望遠鏡の受信機のレンズ素材として採用されたと発表した。
 アルマ望遠鏡は日本の国立天文台、米国国立電波天文台、欧州南天天文台を中心とする22の国と地域協力し運用している。南米チリの標高約5000mの高原に設置した直径12mのアンテナ54台、直径7mのアンテ ナ12 台からなる世界最大級の電波望遠鏡となる。
 アルマ望遠鏡は 2013 年から本格運開始し、これまで惑星の誕生の現場や、生命の起源にも関連する多様な有機分子の存在などを観測してきた。
 アルマ望遠鏡は、35~950GHzの周波数(0・3〜8・6mmの波長領域)を10帯域に分離して観測をしている。 今回、ニューライトRが 採用したのは、新しく搭載する「バンド 2」受信機(観測周波数 67〜116GHz、2・6〜4・5mmの波長領域)の光学系に使用するレンズ。
 電波望遠鏡のレンズは天体からの微弱な高周波電波をできるだけ低損失で通すこと求められるほか、66台のアンテナでの光学性能を維持するための均一な材料物性、加え 約 5000m の高地で運用するため耐紫外線特性が求められる。
 ニューライトRは、樹脂としてはトップクラスで高周波の電波を通す素材。作新工業はこの特性を活かし、耐紫外線性を更に高めたニューライトを提供することで国立天文台のアルマ望遠鏡プロジェクトに協力した。
 同社グループは、長期経営計画「VISION 2030」に基づき、ユニークな ICT ソリューション事業を創造・拡大し、基本戦略である事業ポートフォリオ変革における第3の柱へ成長させることを目指している。ICT ソリューション事業戦略においては、「半導体・実装ソリューション」、「イメージングソリューション」、「電池材料ソリューション」、「コンバーティ ングソリューション」の四つの事業領域を設定してそれぞれ強化を図っている。同案件を通じ、更なる高周波対応等の 技術開発の進化・深化にも貢献していく。

アルマ望遠鏡アンテナ群

アルマ望遠鏡アンテナ群

宇宙を望むアルマ望遠鏡

宇宙を望むアルマ望遠鏡

電波望遠鏡に搭載する受信機を収納した冷却容器(デュワー)(左)と採用されたニューライト製レンズ(右)

電波望遠鏡に搭載する受信機を収納した冷却容器(デュワー)(左)と採用されたニューライト製レンズ(右)

 

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