日本ゼオン、マイクロ波化学と締結　エラストマー製造事業実証開発

　日本ゼオンは８月30日、マイクロ波プロセスを適用したエラストマー製造事業の実証開発契約をマイクロ波化学と締結したことを発表した。
　エラストマーをはじめとした化学製品の製造における主たるエネルギー源は、化石燃料の燃焼によるものであり、化学産業におけるカーボンニュートラルの取り組みのひとつとして、再生可能エネルギー由来の電気を使う電化プロセスへの転換が求められている。しかしながら、従来プロセスのままエネルギー源を電化することは、経済性に課題があった。
　そのような中、同社とマイクロ波化学は、目的物に直接エネルギーを伝達可能なマイクロ波プロセスを適用することで、経済性だけでなく、生産性も改善できる可能性を見出した。本事業では、エラストマー製造プロセスの一部にマイクロ波技術を適用することで、エネルギー源の電化に加え、従来プロセスの革新を実現する。
　同社とマイクロ波化学は、２０２２年度までに本事業のＰｏＣ（Ｐｒｏｏｆ　ｏｆ　Ｃｏｎｃｅｐｔ）を実施してきたが、２０２３年度よりマイクロ波化学の大阪事業所において実証し、２０２７年度の社会実装を目指す。同社はマイクロ波化学とともに、カーボンニュートラルに対して積極的に取り組み、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献していく。

実証を行うマイクロ波化学大阪事業所