ソディックは8月31日、リニアモータ駆動大型形彫り放電加工機「AG100L」の後継機種として、「AL100G」を開発し、2023年9月1日より発売開始すると発表した。
同社が放電加工機のリ-ディングカンパニーとして、リニアモータ駆動方式の放電加工機を販売開始してから約四半世紀、通信・自動車・航空宇宙・医療・家電などあらゆる業界での精密金型製作及び超精密部品加工において導入され、累計出荷台数は6万台以上を達成した。
今回発売する新製品「AL100G」は、長年培われたリニアモータ制御技術と最先端放電制御技術、およびAI(人工知能)機能、IoTプラットフォームなどを融合、最大45%加工時間短縮の実現と消費電力30%低減を達成した、新世代のリニアモータ駆動 高速・高性能大型形彫り放電加工機となる。
販売予定価格および生産目標台数は、標準価格、4200万円~(税抜き)、生産目標台数は、1年当たり15台となる。
「AL100G」の主な特長は6点。1つ目は、機械精度を10年保証する「X・Y・Z3軸リニアモータ駆動方式」(同社開発・製造の高出力リニアモータを搭載し高速かつ高応答な加工性能を発揮、ボールねじを使用しない非接触駆動により経年変化を抑え長期にわたり高精度を維持する)。
2つ目は、新開発の電源搭載によりものづくりの見える化と作業効率アップ(操作盤には19インチ大型タッチパネルを搭載、全体をひと目で見渡せる画面構成となり操作性が向上した。新開発SP電源ではガジェット機能を搭載し、機能面でも作業効率アップをサポートする。ガジェット機能はすべてフローティングウィンドウとなっており、機械を使用する人の好みに応じカスタマイズ(追加・削除)も可能。また、ものづくりの見える化を実現する弊社独自の「Sodick IoT」プラットフォームに基づいた機械管理システムおよび機械状態モニタ「S-Viewer(Sodick Viewer)」により、機械状態、実行状態履歴、実行時間、加工長、プログラム実行回数などのモニタリングが可能。)。
3つ目は、新開発の各種放電制御・回路の採用で従来機(AG100L)より最大45%加工時間短縮を実現(新開発のSP電源搭載のAL100Gでは各放電制御・放電回路を一新し、荒・中仕上げの放電加工領域において加工精度・加工速度・加工品質向上を実現する。従来機能のアークレス加工を更に発展させた「アークレス4」、短パルス・高ピーク電流による荒加工速度向上を実現する「TMM4回路」、中仕上げ領域での速度向上を実現する「TPC4制御」などの新回路・新制御にQ3uTe-AIが搭載したLN Professional AIを組み合わせることで加工性能を最大限引き出す。また、機械的にもテーブルに自社製セラミックスペーサを採用、定盤の絶縁性を確保することで電極消耗抑制・加工面質向上を図っている。)。
4つ目は、AI(人工知能)により常に最適な加工条件を提供(AI(人工知能)により常に最適な加工条件を提供する条件アドバイザ「LN Pro AI(LN ProfessionalAI)」を標準装備。内蔵した放電基礎データと加工条件データベース、それらの関係性から所望する加工要素(加工形態、材質、面積、加工深さ、加工速度、面粗度、消耗etc.)を満たす最適加工条件とNCプログラムを推論・出力する。これにより初心者から熟練者まで「ALシリーズ」のもつ新回路・新制御による加工性能を最大限に引き出すことが可能。)。
5つ目は、加工性能さらなる向上(LN Pro AIプラスTMM4回路により、銅タングステン-超鋼の加工時間を従来機比最大45%短縮、主軸のジャンプ動作時と放電制御とをシンクロさせることにより、放電面積の大きな加工面のシミ発生を抑制、大型機でありながらRz0・80µm程度の領域において小・中型機と同等の鏡面仕上げが可能、リニアモータ駆動メリットを最大限に活かしたグラファイトリブ加工)。
6つ目は、電源ユニットの最適化により80Aフルパワー加工時に消費電力30%低減を達成(AL100Gでは環境対応型工作機械として、電源ユニットの最適化により80Aフルパワー加工時の最大消費電力を従来機18kVAから12・5kVAに30%低減した。)となる。
本機部、各軸移動距離(X軸×Y軸×Z軸)1200×650×500mm、テーブル寸法(幅×奥行)1600×1000mm、加工タンク内寸法(幅×奥行×高さ)2100×1250×650 mm、最大加工物質量5000kg、最大懸垂質量100kg、クランプチャックEROWA COMBI仕様ER-020025、EROWA ITS仕様ER-007521、3R COMBI仕様3R-460・86-2、3R MACRO仕様3R-600・86、電極取付面からテーブル上面までの距離 (EROWA 仕様にて)350~850mm、床面からテーブル上面までの距離 940mm、機械本体寸法(幅×奥行×高さ、電源・タンク含む)3820×4200×3340mm、機械据付寸法(幅×奥行、メンテナンススペース含む)4850×5200mm、機械本体質量1万3700 kg、最大加工電流80A、電気容量(加工液冷却装置(OP)含む)3相200V (50/60Hz) 12・5 KVA、NC装置部は、自社製NC装置SP/SP-E。